2本のバラの花は美しく、ロマンチックだが、ロシアでは縁起が悪い。どこかを訪問する際、またはデートに行く時、花束の花の数が奇数であることを確認しよう。偶数だと、もらった女性や家の女主人は嫌な気分になる。というのも、偶数のバラやカーネーションは墓地に持って行くものだからだ。
デートがうまくいったら、家に招かれる可能性がある。家を出る前に、自分の姿を鏡の前で確認しなければならない。もし下着などを裏返しに来ていたら、殴られることになる。裏返しだったら、まずは着直して、近しい人に背中を叩いてもらおう。これはお印的な罰であり、迷信によると、これによって本当に殴られずに済む。
家から出て、何かを忘れたことに気づいたら、家に戻ってはいけない。戻ることは縁起が悪い。それでも戻らなければいけない時は、嫌な目に合わない方法がある。再び家から出る時に、必ず鏡で自分を見よう。
どこかの家に招かれ、主がドアを開けたら、ちょっと図々しいと感じるかもしれないが、まずは家の中に入り、それから握手したり、抱擁したりしよう。家の主との挨拶、抱擁、キスは、玄関の敷居を介してはいけない。介すると、敷居の下に住むドモヴォイを刺激し、嫌な目にあう。
ロシア人の友人にはハサミやナイフをプレゼントしてはいけない。プレゼントするとケンカすることになる。もしもハサミやナイフをあげるなら、相手から1ルーブルほどの、お印程度の支払いをしてもらおう。ハンカチも涙を意味するため、縁起が良くない。財布をプレゼントするなら、中に硬貨を入れてあげよう。そうすると、財布が空になることはない。
テーブルに客人としてつき、互いに紹介しあったら、同じ名前の人の間に座るようにしてみよう。ロシアでは、人気の名前のバージョンはそれほど多くないため、このような状況に遭遇するのは簡単だ。2人のサーシャさん、レーナさん、またはマーシャさんの間に座ったら、願い事をしよう。人に言ってしまうとかなわなくなるので、心の中にしまっておこう。
テーブルで塩を渡す時、こぼさないように注意しよう。こぼすとケンカを招いてしまう。ただ、こぼした場合の解決法がある。こぼした塩を一つまみ取り、笑いながら左の肩の方へと投げる。そうすれば、すべて回避できる。客に招かれて、料理が塩辛かったからといって、がっかりすべきではない。これは招いた女性が恋に落ちたことを意味するからだ。相手はあなたかもしれない。
客に招かれて、ナイフで食べようとは思わないだろうが、自宅でもやってはいけない。ロシアの迷信によると、ナイフで食べると食べた人は邪悪になる。それに、ナイフで食べたら、口を切る可能性だってある。
ロシアの伝統的な幸運を祈る言葉「成功を祈るぞ/頑張って(ニ・プーハ・ニ・ペラー - ни пуха ни пера)」を、試験前、面接前、重要なスピーチの前などに言われたら、絶対に「ありがとう」と答えてはいけない。唯一の正しい答えは、「くたばれ(ク・チョルトゥ! - К черту!)」。これを言わないと、運が逃げていく。
ショットグラスやワイングラスなどに中身を注ぎ終わったら、その瓶をすぐにテーブルから外そう。空瓶を置いておくと、お金がなくなってしまう。この伝統はナポレオン戦争の時に始まったと言われている。ロシアのコサックは1814年のパリ占領の後、地元のレストランで飲んでいる者の人数がテーブルに残されていた空瓶の数で判断されていたことに気づき、テーブルの下にすぐに置くようになったのだという。これが実話かどうかはわからないが、ロシアには開けた瓶の中身を必ず最後まで飲まなければいけないという、もう一つの伝統があるため、空瓶に遭遇することが必ず起こるだろうから、これを知っておいて損は無い。というわけで、ニ・プーハ・ニ・ペラー!
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