ロシア式新年の迎え方

写真提供:jcoterhals / flickr.com

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「新年の迎え方によって、その年が決まる」という古い慣わしにしたがい、ロシア人は来る新年に、去年よりも10%多く使おうとしている。

ロシア各都市の通り、ショッピング・モール、会社のオフィスは、すでにクリスマス・ツリー、ガーランド(花飾り)、ティンセル(色とりどりの房飾り)などで飾られ、祝日前の熱狂や長期休暇が近づいていることを人々に実感させている。ロシアでは今年、新年までしかクリスマスを祝わない西側諸国の人々の羨望のまなざしを横目に、12月30日から1月8日までの1週間半の公式休暇を楽しむ。

新年=ソ連式クリスマス 

クリスマスは西側諸国では家族の祝日だが、ロシアでは新年だけが家族的で、クリスマスは少し違う。これはソ連時代に宗教が禁止され、教会の行事が二の次にされたことで、1月7日のクリスマスよりも新年に重きが置かれるようになったことが影響している。クリスマス・ツリーを飾ったり、家族や近しい人にプレゼントをするという習慣は、そのまま新年へ移行して残り続けた。

モスクワの小さな広告代理店のイリーナ・ポポワ社長はこう話す。「私はキリスト教信者ですが、クリスマスが新年ほどの大きなできごとになったことはいままでありません。ごちそうやプレゼントがあって、クレムリン大時計が新年の鐘の音を鳴らす瞬間にシャンペンが開いて、オレンジの香りが漂うと、一気に祝日の雰囲気になるのです」。

ポポワ社長は早いうちから新年の準備をする、数少ないロシア人のひとりだ。「人でごった返す店内、長い行列、混乱が嫌いなんです。人が動き出す前にすべてをそろえておくか、ネットショップで買います」。

ネットショップはまだそれほど一般的ではなく、ロシアではインターネット販売が5%ほどのシェアにとどまっていて、12月でも20%ほど増加する程度だ。その代わりこの時期の店の行列は何倍にも伸び、12月15日から24日は買物のピークになる。

新年に使う額は昨年比8.6% 

国際的なコンサルティング会社「デロイト」は、今年ロシア人が新年で使う額は昨年比8.6%増になると試算している。これはロシア人が将来に確信を持っていることが理由だ。2人に1人のロシア人はロシアの経済状況が安定していると考え、5人に1人は今後ロシアの経済が伸びると考えている。

ロシア人が新年で使う平均金額は500ドル(約4万2000円)で、ヨーロッパ全体の平均金額770ドル(約6万4700円)よりも35%低い。これは一見少ないようだが、国民一人あたりのGDP(国内総生産)で120%の差があることを考えると、決して小額ではない。ロシア人は経済不況が起こってから買物に対して慎重になったが、それでも新年のプレゼントや祝宴、さらには海外旅行などにはお金を思い切って使っている。

1月の寒い気候はロシア人の行動と嗜好に影響を及ぼし、海外旅行者の半数以上が、飛行機代だけでも400ドル(約3万3600円)はかかるエジプトを中心とした、太陽と海のある温かな場所に行く。

また、海外でスノーボードやスキーを楽しむのもおしゃれになっていて、比較的高額であるにもかかわらず(1300ドル以上)、旅行者は急速に増え続けている。

一番人気のクリスマス・プレゼントは 

ところで、デロイト社の調査によると、今年ロシア人がほしいと思うクリスマス・プレゼントは、お金(56%)、旅行(44%)に続いて、3位にスマートフォン(40%)がランクインした。

その他に人気が高いのは、化粧品やスイーツといった定番商品、健康的な生活を意識したあまり高くない電化製品などだ。こういった電化製品の中でヒットとなっているのは、電気鍋やジューサーである。

ロシア人は伝統的にホームパーティーが好きで、新年に客人を招く、または自分が客としてパーティーに行くことを好むのは全体の80%以上にものぼるため、1月1日以降もこのような行き来が、主なお正月の過ごし方になるだろう。