ペテルブルク周辺の宮殿TOP7

Lori/Legion-Media撮影
 サンクトペテルブルクとその周辺には50以上の帝室の宮殿がある。冬宮つまりエルミタージュだけではないのだ。 ロシアNOWは、かつてのロシア帝国の首都の7つの歴史的な場所をピックアップした。これらの場所では、ロシア貴族の一風変わった習慣や豪華な生活を垣間見ることができる。

1. メンシコフ宮殿

 1710〜27年の期間に建てられたメンシコフ宮殿は、サンクトペテルブルクで最も早い時期に建てられた石造りの建物の一つである。 アレクサンドル・メンシコフはピョートル大帝の幼なじみの有力政治家で、サンクトペテルブルクの初代総督だった。 若きピョートルは、16歳のメンシコフがモスクワの通りでパイを売っている時に出会った。後にメンシコフはピョートルの“私兵”になった。

 サンクトペテルブルクを拠点とに活躍する脚本家のオルガ・カラシニコワは、メンシコフのことを「18世紀版オリガルヒ」と呼んだが、彼が読み書きできないことを知った彼女は同時に驚かされた。 彼についてのドキュメンタリーの仕事を手がけていた際、彼女は彼が署名した文書を見つけた。「自分の署名にさえも間違いがあったほどです」とカラシニコワ氏は言う。

 メンシコフの邸宅は、海外の外交官により「大使の宮殿」とよく呼ばれた。それは、1712年のピョートル大帝とエカチェリーナ1世の結婚式も含め、公式なレセプションの大多数がその宮殿で開催されたからであ。

 

2. ユスポフ宮殿

Lori/Legion-Media撮影

 ユスポフ宮殿はフランス人建築家ジャン=バティスト・バラン・デ・ラ・モートにより1760年代に建てられた。 神秘的な農家出身のグリゴリー・ラスプーチンは、皇帝ニコライ2世に対し多大な影響力を持っていたが、それは彼が皇帝の息子で血友病患者のアレクセイ治療で癒やしの力を発揮したからである。ラスプーチンはここで1916年12月17日に殺害された。 フェリックス・ユスポフ公はラスプーチンを宮殿に招き、彼のデザートにシアン化物を入れることで、彼の暗殺に寄与した。 個室や特別なラスプーチンに関する展示を見学したい場合は、予約が必要だ。

 「人々はツァーリや貴族、知識階級のおとぎ話的な世界を見たいと望むので、ロシアが魅力的に感じられるのです」と説明するのはロシア・米国イーグル・トラベル・ツアー社のCEO、オリガ・カルダモン氏だ。「ところが、ペテルゴフ宮殿や冬宮殿におしかける群衆により、そのような印象が台無しになってしまうことがあります。 幸い、ユスポフ宮殿にはこの魅力がまだ残っています。」

 

3. シェレメチェフ宮殿

写真提供:ruspalace.ru

 シェレメチェフ宮殿では、3,000点の楽器やアンナ・アフマートヴァとヨシフ・ブロツキーの遺物などを収蔵する2つの博物館により、音楽と詩の世界が融合している。 この宮殿は、貴族ピョートル・シェレメチェフ伯爵のために、1750年から1755年にかけてバロック様式で建てられた。

 この宮殿の主な建物には現在、劇場・音楽博物館があり、チャイコフスキーのピアノ、ストラディヴァリウスのバイオリン、そして皇帝ニコライ2世のチェロを見学することができる。 ここでは100〜200ルーブル (3米ドル未満) でクラシック音楽のコンサートを鑑賞することができる。

 詩人のアンナ・アフマートヴァは1920年代半ばから1952年までの期間、この宮殿の南翼に住んでいた。 リテイニー大通り53番地から、博物館に改造された彼女の住居に入ることができる。 2005年にはヨシフ・ブロツキーの「アメリカン・オフィス」も開設されたが、彼がここに住んだことは一度もなかった。

 

4. ミハイロフスキー宮殿

ロマン・ヴェゼーニン撮影

 ミハイロフスキー宮殿はイタリア人建築家のカルロ・ロッシにより、エカチェリーナ2世の孫であるミハイル大公のために1819年から1825年にかけて建てられた。 ネフスキー大通りからもよく見え、10ヘクタールにおよぶ庭園がある。 今日ではこの宮殿には、中世のイコンからカジミール・マレーヴィチの『黒の正方形』に至るまで、ロシア美術の膨大なコレクションが収蔵されている。

 「ミハイロフスキー宮殿の庭園は見事です」とロシアNOWの取材に対して語ったのは、サンクトペテルブルクに定住して9年になるオランダ人のレオニー・ラヴロヴァ=ヴォルドリンクさんだ。「夜間にそこに散歩に行くと、美しく照らし出された宮殿が見事です」

 

5. ストロガノフ宮殿

Alamy/Legion-Media撮影

 ストロガノフ宮殿はネフスキー大通り沿いでも最も古い建造物の一つで、1752〜54年にかけてセルゲイ・ストロガノフ伯爵のためにバロック様式で建てられた。 それ以来、その外観はほぼ変わっておらず、イタリア人建築家のフランチェスコ・バルトロメオ・ラストレッリの元のデザインのままだ。彼が手がけた冬宮とツァールスコエ・セローのエカテリーナ宮殿 (ディズニー映画の『アナスタシア』に使われている) も現存している。

 食通なら「ルースキー・アンピール」レストランで伝統的なビーフストロガノフや鹿肉のストロガノフ、スズキ目 (カワカマスに似たパーチ科の淡水魚) をストロガノフ・スタイルで試してみるといいだろう。

 

6. パブロフスク宮殿

Shutterstock/Legion-Media撮影

 パブロフスク宮殿は、エカチェリーナ2世の息子であるパーヴェル1世と皇后のマリア・フョードロヴナの夏の離宮だった。 第二次世界大戦中、この宮殿はナチスによる略奪に遇った。略奪品は地元のゲシュタポ本部に持ち込まれたが、彼らが撤去した際に焼却処分されてしまった。 冬にこの宮殿に行く最善の方法は馬車やソリだ。これは博物館のウェブサイトを通じて申し込むことができる。

 ユーリー・モロドコヴェツ氏によるパブロフスク宮殿を主題とする写真プロジェクトも見学するといいだろう。 モロドコヴェツ氏は特にマリア・・フョードロヴナ皇后の図書館が大のお気に入りで、この図書館には一時期21,000点もの品が収蔵されていた。「第二次世界大戦中、収蔵品はナチスによって奪い去られ、後の1945年にオーストリアで発見され、ソ連に返還されました」。彼はその経緯をロシアNOWに対し解説した。

 

7. コンスタンチノフスキー宮殿

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 コンスタンチノフスキー宮殿はストレルナにあり、エカチェリーナ2世の孫であるコンスタンチン大公の夏の住居だった。この宮殿は2006年のサミット、2013年のG20の会場として用いられたので、アンゲラ・メルケル首相、バラク・オバマ大統領やウラジーミル・プーチン大統領が国際問題を話し合った公会堂で自撮りしてみるといいだろう。 事前に予約する必要があるツアーでは、プーチン大統領とイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相 (当時) がプールに興じた場所などを見学できる。

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