サンクトペテルブルクの宮殿広場で、エルミタージュ美術館の創設250周年を記念して、光のショー「歴史の舞踏会」が行われた。=
ルスラン・シャムコフ撮影「国立エルミタージュ」(エルミタージュ美術館)は、国内外の多くの主要な美術・博物館とは異なり、アート・コレクションのための宮殿というだけでなく、皇帝の邸宅として、18世紀に建てられた。世界中から集められた膨大なコレクション(石器時代から20世紀末まで)が、バロック様式から擬古典様式までの豪華で正統なインテリアの中で披露されているのは、そのためである。様式は装飾を施した時代によって変わっている。
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世界中の家具、ゴブラン織り、テキスタイル、食器、芸術品が、客間、寝室、式典ホール、舞踏会ホール、そして数多くの広々としたギャラリーにある。
エルミタージュの所蔵品の中でも特に魅力的なのは、世界最大のスキタイの黄金品のコレクション、レオナルド・ダ・ヴィンチとラファエロの聖母、ティツィアーノ、ルーベンス、レンブラント、プッサン、フランスの印象派とモダニストの作品のコレクション。
「国立ロシア美術館」は、モスクワのトレチャコフ美術館と並ぶ、ロシア美術の宝庫。伝説的なイコン画家アンドレイ・ルブリョフの作品を筆頭とした中世のイコンから現代美術家の作品までが所蔵されている。
ユリア・シャンデゥレンコ撮影
18~19世紀の古典絵画(カルル・ブリュロフやアレクサンドル・イヴァノフからミハイル・ヴルーベリやニコライ・リョリフまで)およびロシア・アヴァンギャルド(マレーヴィチ、カンディンスキー、その他の多くの作品)の豊富なコレクションは、古典主義時代の記念建造物、ミハイロフスキー宮殿にある。
美術館には他にもサンクトペテルブルクの複数の宮殿や、ピョートル大帝の命令によって造園された夏の庭園が含まれている。
世界最大の人類学と民族学の博物館「クンストカメラ」は、あらゆる珍しいものの熱心なコレクターだったピョートル大帝によって創設された。
Lori/Legion Media撮影
今日ここには、古代中国の磁器や中世インドの武器から北米インディアンの儀式の品までの、世界中の異なる文化の珍品が展示されている。とはいえ、おそらく最も有名なのは、18世紀にオランダの解剖学者フレデリクス・ルイシによって集められたものを展示している、解剖学の間(シャム双生児、いわゆる「人魚症候群」のサンプルなど)だろう。
「ペトロパヴロフスク要塞」は、「サンクトペテルブルク国立歴史博物館」の中心施設。1703年、ピョートル大帝の命令によって、ウサギ島への建設が始められた。だが施設の建設の進行とともに、主に刑務所として使われるようになった。
アレクセイ・ダニチェフ撮影/ロシア通信
1730年代にここで生まれた、正午の空砲を放つ伝統は、現在でも残っている。要塞の美しい建築群の中には、建築家ドメニコ・トレジーニが手掛けたペトロパヴロフスク大聖堂とロシア皇帝の墓地、ロシア艦隊の初めての艦船が建造されたピョートル大帝のボート小屋などがある。
「ファベルジェ美術館」は、宝石職人カール・ファベルジェの高価な作品を展示している、民間の美術館。展示物はロシアの大富豪ヴィクトル・ヴェクセリベルグのコレクションと、ヴェクセリベルグがマルコム・フォーブスの子孫から2004年に購入したコレクション。
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この美術館の最近の取引により、伝説的なファベルジェ工房の傑作が所蔵されることとなった。具体的には、ロシア皇帝から受注した装飾芸術の逸品、インペリアル・イースター・エッグ9個。
美術館の建物も注目に値する。19世紀前半の折衷建築の華やかな例、シュワロフ宮殿である。
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