極東の優れた漁業海域は、オホーツク海、ベーリング海、日本海。カラフトマス、シロザケ、ギンザケ、マスノスケ、サクラマスなどのタイヘイヨウサケ属が生息しているのが、この冷たい北の海域である。北の魚は優れた輸出品で、日本、韓国、中国がロシアから購入している。
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ソ連時代、極東の沿岸部は水産加工工場網で覆われ、海は文字通り、引網船、トロール船、浮遊工場でいっぱいになっていた。ウラジオストクは1980年代まで沿海の都、また捕鯨の中心地であった。
今日の産業規模は小さくなっているが、それでも漁業はかつてと同様、地域経済の重要な分野であり、極東市民のライフスタイルである。
ウラジオストクの主要な魚の一つがニシキュウリウオ。冬、アムール湾や近郊の入り江の氷下から釣る。釣りたてのニシキュウリウオからは、新鮮なキュウリの香りがする。これは揚げたり、干したりする。その昔、ウラジオストクのどの家の窓にも、カーテンの代わりにニシキュウリウオがつるされ、干されていた。他の冬の魚と言えばコマイ。揚げるともろく、おいしい。
ニシキュウリウオ=Lori/Legion-Media撮影
春はカレイとスケトウダラのシーズンが始まる。カレイの釣り方はシンプル。ゴムボート、釣り竿と釣り針、エサ(ミミズ、イカ、ムール貝)だけあれば十分だ。秋はニシンのシーズンが始まる。ここのニシンは大西洋の2倍ほど大きい。遊漁に許可は必要ない。
人気の娯楽はイカの夜釣り。イカは光におびき寄せられる。ブリなどの魚の水中釣りのファンもいる。
沿海地方の水域では、メナダ(水中から何度もジャンプするボラ科の「飛び」魚)、ラッド、アイナメ(スズキ目)が泳いでいる。南の海から沿海地方の海岸に向けて、サメや有毒なフグまでもが泳いでくる。太平洋漁業海洋学科学調査研究所(TINRO)の研究者によると、今年、太平洋海域には、イワシが戻ってきたという。この魚はソ連時代、数百万トン規模で釣られていた。今やこの漁獲のためには、船団と沿岸部の工場網の復活が必要となっている。
Alamy/Legion-Media撮影
海水浴シーズンになると、沿海地方の住民は軟体動物(ホタテ、ムール貝、ホッキ貝)を釣る。この時期、水深2~3メートルのあたりで見つけることができる。ウラジオストクの海域にはカキも生息しているが、なぜか地元住民にはあまり高く評価されていない。住民はその代わり、ナマコやウニを喜んで食べている。
極東の川魚も多様だ。この地域最大の川であるアムール川では、チョウザメ、スネークヘッド(必要に応じて陸上を長距離這うことのできる魚)、ハクレンが泳いでいる。コウライギギは驚きの川魚だ。ロシアでは「スクリパリ」と呼ばれ、水からあげられると、鋭いトゲを動かしながら、怒ったように大きな声でギーギーと鳴く。山脈の支脈から流れる透明の冷たい川には、とてもきれいな高級魚コクチマス、グレイリング、マスがいる。
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ウラジオストクの魚市場は釜山、大連、大阪にはかなわないが、それでも地元の新鮮な魚介類や魚卵を見つけることができる。フトラヤ・レチカの「ベリョスカ」市場、スポルチヴナヤの市場、河岸通りの市場がそれである。イクラはウラジオストク空港でも販売されているが、市場よりも価格が数段高い。
沿海地方の当局は、海外で有名な日本の築地のような大きな魚市場を、ウラジオストクに2~3年以内に建設することを約束している。建物はエイのような形になる見込み。場所はウラジオストク市中心部の金角湾岸にある、カラベリナヤ河岸通りにすでに決まっている。
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