今後の世界経済について話し合おうと、一流経済学者がサンクトペテルブルクに集結した。フォーラムには、ウラジーミル・プーチン大統領、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長、ジャンクロード・ユンケル欧州委員長なども出席する。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官が先に伝えていた通り、プーチン大統領はフォーラムで、バルト海経由のロシアからヨーロッパへのガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」プロジェクトについて話す。他の議題としては、ウクライナ情勢を受けて2014年に欧州連合(EU)が発動したロシアに対する制裁、またその対抗措置がある。
専門家によると、フォーラムで制裁の相互緩和が発表されなくとも、プーチン大統領とユンケル欧州委員長の直接対話によって、ロシアとEUの関係が大きく改善される可能性があるという。というのも、ウクライナ危機が2014年に始まって以来、ヨーロッパからこのレベルの政治家はフォーラムに出席していなかったためだ。「大きな進展は期待しないが、非公式協議は状況の一定の改善に寄与するのでは」と、ロシアの大手証券会社「フィナム」の金融アナリスト、ティムール・ニグマトゥッリン氏は話す。
年内の制裁緩和を期待すべきでないと話すのは、ロシアの投資会社「フリーダム・ファイナンス」ロシア株式市場運用管理責任者のゲオルギー・ヴァシチェンコ氏。それでも、高官がフォーラムに出席することは、西側の指導者の意見が必ずしも一致しているわけではなく、一部にロシアとの対話の用意があることを意味するのだという。例えば、イタリア代表団の団長はマッテオ・レンツィ首相である。
今年のフォーラムの公式ゲスト国はイタリアであるため、銀行「インテーザ・サンパオロ」、タイヤメーカー「ピレリタイヤ・ロシア」、エネルギー会社「エネル」、金属加工機器のサプライヤー「ダニエリ」など、大手企業22社が参加する。
ベネズエラ代表団の団長はエウロヒオ・デルピノ石油相。ロシアのアレクサンドル・ノヴァク・エネルギー相、ロスネフチのイーゴリ・セチン社長との会談が予定されている。
自動車集積で知られるカルーガ州(モスクワから約200キロ)は、「ロシア鉄道」、「サムスン」の代表らと「新シルクロード」プロジェクトについて協議する。モスクワ州は工業、農業、インフラの分野で、具体的な契約が結ばれれば、と期待している。フィナム社のデータによれば、フォーラムで結ばれる契約件数は年々増加しているものの、契約額は減少している。2013年のフォーラムでは102件、1460億ドル(約15兆1840億円)の契約が結ばれたが、2014年は175件、61億ドル(約6344億円)、2015年は205件、45億ドル(約4680億円)となっている。
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