フランス上院、パリ=
ロイター通信ウクライナ情勢を受けて欧州連合(EU)諸国が発動した、ロシアに対する経済制裁の緩和を呼びかける動議が、賛成302票、反対16票で可決された。上院の議員数は現在、348名。
これは推奨的な決議案である。EUで制裁の問題を協議する際に、段階的緩和を支持するよう、フランス政府に呼びかけるもので、ウクライナ東部のミンスク和平合意の前進を条件としている。
また、ロシアとフランスの二国間対話を容易にすることを目的として、ロシアの議会議員に対する個人的な制裁措置の解除もすすめている。
決議案の可決について、クレムリンはすでにコメントしている。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官によれば、ロシア政府はこの決議案の可決を歓迎しているものの、制裁の解除または延長の問題はクレムリンの議題になっていないという。
フランス下院も4月末、ロシアに対するEUの経済制裁の延長に反対するようフランス政府に求める、推奨的な決議案を可決している。制裁の問題がEUで協議されるのは今月末。
ロシア国際問題会議のアンドレイ・コルトゥノフ事務局長は、決議案について、「制裁延長の決定に直接影響するものではない」と話す。ただ、今回決議案が可決されたことは、「段階的かつ間接的な効果」をもたらすという。
コルトゥノフ事務局長によると、ヨーロッパの主要な国の上院がこのような決定をしたのは初めてであり、制裁の緩和または解除に賛成している人の立場を強化するという。
決議案が圧倒的多数の賛成票によって支持されたという事実は、フランス政府、またEUの官僚の双方への政治的圧力になる。したがって、フランス政府はこれから、「EUの協議の枠組みの中で、他の国の政府よりも、より柔軟な立場をとる」ようになるという。
議会がミンスク和平協議の履行の進捗次第で、制裁を解除することに賛成していることを背景に、フランス政府は何もしないわけにはいかなくなる。キデ所長は、フランス政府の制裁に対する立場が劇的に変化するとは考えていないが、議会の賛成票はフランス政府の制裁に関する政策に間違いなく影響をおよぼすし、それを数ヶ月後に確信するのではないかと話す。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。