メドベージェワ優勝インタビュー

エフゲニア・メドベージェワ=

エフゲニア・メドベージェワ=

ウラジーミル・ペスニャ撮影/ロシア通信
 ロシアの女子フィギュア選手エフゲニア・メドベージェワ(16)が世界選手権を制した。グランプリ・ファイナルと欧州選手権に続く3つめの栄冠。シニア移行後最初のシーズンを最高の形で締めくくった。勝利の後にどのような感情を味わったか、世界選手権は大変だったか。試合後、ロシアフィギュアスケート連盟のプレスサービスに語った。

「強靭な意思が必要だった」

 勝利から2時間が経ちました。いまどんな気持ちですか?

 「いまもすっかり混乱したままです」

フリープログラムでキム・ヨナの世界記録を更新しました。

 「ただもう、ショック状態です。0.04ポイント上回りました」

シーズンを通じてコンディションを保つのは難しいことでしたか?

 「もちろん難しかったです。でも、これはスポーツです。意志力というものを示さなければなりません。意思の力でリンクに出、戦うのです。体調面では今回が一番、強い意志が必要になったスタートでした。体力は限界でした。だってシーズンの最後ですから。誰もが大変だった、そしてその中で戦っていたのです」

シーズンで一番大変なスタートだった?

 「いいえ。一番大変だったのは、ブラチスラヴァの欧州選手権です。精神的に困難だったのです。現地練習も全くさせてもらえませんでした。フリップもトーループも一度もできなかったのです。そこから私たちはもう一度始めました。少しずつコンディションを戻していきました。そして、すべてうまく行きだしたのです」

 

「不安はなかった」

 ショートプログラムの結果は、米国選手グレイシー・ゴールドに遅れをとり、2位だった。この状況も冷静に受け止めていたという。

 「グレイシーが1位でショートプログラムを終える、というシナリオには準備ができていました。私のすべきことは、ただ、息を抜き、気分を変えて、自分の仕事をすることだけでした。フリーのリンクに出て、自分に何ができるかを示してみせることだけでした」

フリーのリンクに出て行くのは大変なことでしたか?

「いつもとまったく変わりません。エテリ・ゲオルギエヴナ(コーチ。姓はトゥトベリーゼ)が励ましてくれました。正直に言って、そう心配してもいなかったのです。ほとんど不安はありませんでした。ここ(ボストン)は非常にアットホームな雰囲気です。みんなの応援を感じられます。観客席からロシア語で「ジェーニャ、がんばれ!」なんて叫びも聞えるんです」

 

日本の詩を暗唱

 「キスアンドクライを立ったとき、私の頭にあったのは、たった一つのことです。「寝たい!」。だってモスクワ時間では午前7時です。立っていられないほど疲れていました。でも新しいルールで、すぐに更衣室には行けません。「グリーンルーム」でアーニャ(アンナ・ポゴリラヤ)、浅田真央ちゃんと一緒に、残りの選手の評価が出るのを待っていました。ちょっとでも雰囲気を明るくしようと思って、真央ちゃんに日本語の詩を暗唱しました。すぐには分かってもらえず、近くに座って「もう一回言って」と言います。私は繰り返しました。真央ちゃんは、驚きのあまり、椅子から転げ落ちそうになりました」

どんな詩ですか?

 「というより、歌詞なんです、日本のアニメの。各26エピソードで、もう何シーズンめかに入っているやつです。何度も聞いているうち、覚えてしまったんです。日本人の記者たちの前でも暗唱したら、みんな気絶しそうにしていましたよ」

 

立ちはだかるは学校の試験

 メドベージェワは5月、9年生(ロシアの学校は11年制)を終える。つまり、中学校を修了する。高校進学のためには難しい試験をパスしなければならない。世界選手権を終えた今、真っ先に取り組まなければならないのは、勉学だという。

 「2つの必須科目を受けないといけません。ロシア語、数学です。それから選択科目で生物学と英語の2科目があります。でも、一番大事なのは 数学とロシア語です。世界選手権前のひと月は、やはり、しっかり勉強したとは言えません。時間はまだ2週間あります。がんばって勉強します」

 

「この性格はコーチの薫陶のたまもの」

 コーチのエテリ・トゥトベリーゼ(42)はメドベージェワを教え子に持って8年になる。2007年からの付き合いだ。ソチ五輪金メダリスト(団体戦)のユリヤ・リプニツカヤ(17)も担当していたが、今シーズンの初めにたもとを分かっている。

 「私のスポーツ向きの性格はエテリ・ゲオルギエヴナの薫陶のたまものです。スポーツがなかったら、私がどんな人間になっていたか、私には分かりません。けれど、私の負けず嫌いとか、目標に向かって邁進する姿勢は、確実にコーチからもらったものです」

参考記事(露語)

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