モスクワ市当局が「ポケモンGO」を模したアプリケーションを配信する=
ドナト・ソロキン撮影/タス通信世界中でそうだが、ロシアもまた、「ポケモンGO」に夢中だ。モスクワ市当局は人気の潮流におくれをとるまいと、アプリケーション「ウズナーイ・モスクヴー(モスクワを知ろう)・フォト」の改訂版をサイト上で配信すると発表した。動作原理はポケモンGOと同じ。ただ、「ゲット」できるのはポケットモンスターではなく、歴史上の人物だ。ゲットした人物とはセルフィを撮ることができる。
有名人のヴァーチャルな「分身」は、実はすでにモスクワに存在している。ツァーリのイワン雷帝やピョートル大帝、詩人アレクサンドル・プーシキン、宇宙飛行士ユーリー・ガガーリン、ソ連のロックスター・ヴィクトル・ツォイなどだ。しかし、現在のところ、彼らはモスクワの所定の場所に釘付けにされている。これが改訂版では、市内を「歩き回る」のだそうだ。アプリ「モスクワを知ろう」の画面=報道写真
ポケモンとは異なり、ツァーリたち、文学者、宇宙飛行士らは、騒々しく登場してくることはない。生前の姿のままに振舞う。当局は、ゲームを通じて、ユーザーがモスクワの歴史に興味を抱き、勉強するようになることを期待している。
スマートフォンでプーシキンやツォイを「ハント」できるようになるのは、8月末。それまでは、モスクワのヴァーチャル空間は、ポケモンたちにすっかり占領された状態が続く。ポケモン探しは少し楽になった。ハンターたちを支援するため、「モスクワ・コーディング・スクール」の開発者らが、市中心部にいるすべてのポケモンと、彼らが所定の場所に留まる時間が記載された、モスクワ市の地図を作成したのだ。このアプリは間もなくモスクワ全域をカバーするという。
携帯電話事業者によると、モスクワの「ポケモンGO」ユーザーは18万人弱。しかし、実は、「ポケモンGO」はまだロシアで公式配信が始まっていない。しかし、ポケモンへの情熱は、そのような障害など問題にもしない。ユーザーは他の国のAppストア経由で、または、非正規のサイトでアプリをダウンロードしてしまう。「ポケモンGO」は国を揺るがす一大現象となっている。既に大統領府のドミートリー・ペスコフ報道官が「クレムリンでポケモンがゲットできるか」についてコメントを求められており、国内最大手銀行の「ズベルバンク」は熱狂的なファン向け特別プランとして、ポケモン探索中の負傷に対する最大5万ルーブル(約8万2000円)の保険を提案している。
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