大昔、クラスノヤルスク地方モトゥィギンスキー地区のタセエヴァ川左岸に、塚が築かれた。その頂上に、いにしえのユニークな遺物がある。砂岩の塊から作られたもので、男の顔が刻まれている。
この「ウスチ・タセエフスキー偶像」は、1976年に発見された。これは、鉄器時代初期(つまり、紀元前4~1世紀)に遡り、石の彫刻としては、アジア最北のものの1つと考えられている。この偶像にまつわる迷信は数多い。たとえば、ここで眠りに就くと非常にリアルな悪夢を見るという。
ちなみに、強い雷雨が降ると、必ず稲妻がこの塚に落ちる。ここの住民は、この珍しい現象を発見して、像を建てて供物を捧げるようになった。そして、いくつかの部族が像の外見を自分たちに似るように「改造」してきた。
当初の像は、シベリアのスキタイ人のようで、顎ひげと口ひげを生やし、眉をしかめていた。しかし、ロシア人がシベリアを征服する頃までには、よりモンゴロイド的な顔立ちになっていた。学者たちの考えでは、タバコを知ったツングース族が、この貴重な発見を偶像と「共有」することにした。だから、像に、パイプを咥える穴が開けられたのだという。
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