1. イワノヴォ
州の主要都市を無視することはできない。建築の愛好家なら、列車から降りた途端、駅を見て、喜びに胸躍らせることだろう。それは1930年代の構成主義を代表する建物の一つで、しかも最近、修復されたばかりなのである。イワノヴォでは、他の町ほど多くのかわいい教会を見つけることはできないかもしれないが、その代わり、ソ連アヴァンギャルドの建築的記念碑をたくさん発見することができる。さらにここには現在も稼働している、あるいは再建されたソ連時代の紡績・縫製工場があり、町に産業的な魅力を与えている。それゆえ、町は「ロシアのマンチェスター」との異名を持っているほどである。
町でもっとも古い建物で、地元のシンボルの一つとなっている17世紀のシュドロフスカヤの家を訪れるのをお忘れなく。
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2. パレフ
パレフは、住人の8人に1人が芸術家だと言われる。かつてこの小さな町は、イコン(聖像画)の大きな要所として名を馳せた。パレフの細密画は簡単に見分けることができ、見紛うことはない。というのも、たくさんの絵柄や模様がとても細かく描かれているという特徴があるからだ。しかし、1917年の革命後、パレフのイコン画家たちはその専門性を方向転換する必要に迫られたため、漆塗りの小箱に、民話や革命をテーマにした絵を付けるようになった。
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地元の美術館ではパレフの民俗絵画の進化を辿ることができ、また民間のアートサロンでは自身の作品を販売する現代アーティストたちと出会うことができる。地元の職人たちが描いたライラック色の丸屋根とバロック風のイコノスタス(聖障)を持つ素晴らしいクレストヴォズドヴィジェンスカヤ教会も素通りすることはできない。
3. シュヤ
シュヤはこの州の宗教的(かつ精神的)中心部である。小さなテザ川の岸には町の見どころの一つである、19世紀初頭に建てられた白亜のヴォスクレセンスキー聖堂と、高さ106㍍の壮大な鐘楼(独立した鐘楼としては、ヨーロッパでもっとも高い)が立っている。
シュヤはボリシェヴィキが宗教撲滅の運動を開始した町の一つであることから、現在、広場の聖堂の前には、信心のために命を落とした人々に捧げられた記念碑が立っている。
シュヤでは、商店の並ぶ通りを散策し、町が誇りにしている以下のものについて知ることができる。
- ウォッカ(と、その他の地元の浸酒)。店舗を兼ねた博物館で試飲することができる
- キャラコ(この町はキャラコの製造で長い歴史を誇る)
- 石鹸(この地は石鹸が誕生した地。17世紀にはすでに、最初の石鹸工場ができた)
4. キネシマ
キネシマはかつて裕福な商人の町だった町であり、繊維生産の中心地の一つであった。多くの人で賑わう色鮮やかな地元の市場の様子は、ボリス・クストジエフのキャンバスにも残されている。そこで今でも、古い屋敷を眺めながら、小さな通りを何時間でも散歩することができる。
しかし、何より大切なのは、もちろんヴォルガ川である。川の流れを眺め、通りすぎる船を数えながら、長い河岸通りに沿って漫ろ歩きすることができる。
5. プリョス
プリョスは、イワノヴォ州でもっとも有名な町であり、ある種、ロシアの理想的な田舎町と言える。ヴォルガ川の岸、イサーク・レヴィタンのキャンバスに描かれているような教会、魅力にあふれた自然の地形、小さな木造の家々・・・、それは本当に美しい!
観光客が大勢押し寄せる時期より少し早めにこの町を訪れ、ソボルナヤ丘を上り、上から川のある景色を眺めることをお勧めする。そして、燻製魚の具が入ったピロシキ「ルィブヌィ・ウーゴル」をぜひ試してみてほしい。この地の真の珍味である。