ロシアのボルゾイ:ロシアでもっとも俊敏な犬

Legion Media
ボルゾイは自動車に劣らないスピードで走ることができるが、一方でソファでゆったりくつろぐこともできる。

ボルゾイとの狩猟、1840年代。レフ・トルストイ国立博物館のコレクション、モスクワ

 過去数100年にわたり、ロシアの貴族たちは、狼や熊を狩るのを好んだ。そしてこうした獲物を追うのに利用したのが犬である。狩猟に必要とされたのは、俊敏で持久力のある犬だった。そこで使われたのは、スピードをもつロシアの「ボルゾイ」である(ロシア語で俊敏を意味する)。

犬狩りの再現

 この狩猟犬は狩りが流行していた国に広まっていた。ロシアのボルゾイは、サルーキ(ペルシャのボルゾイ)とロシアのライカが掛け合わされたものである。

 領主たちは、いっぺんに家の敷地内に数10頭の犬を飼った。そして17世紀、ロシアのボルゾイという犬種が生まれた。

 ステップ地帯で長い距離をかけて獲物を追跡するサルーキと異なり、ロシアのボルゾイは森の草原で、短距離で動物を捕らえることができる。

 ロシアのボルゾイの基準が初めて規定されたのは1888年。細くて長い顔、長い足、シルクのような毛が特徴である。またこれは世界でもっとも背の高い犬種の一つで、体高は85㌢にも達する。そしてロシア原産の犬種の中でもっとも俊敏なのがボルゾイで、そのスピードは時速50キロ以上に達する。

 ちなみに、ボルゾイは、狩りをしていないときには、のんびりとした非常に落ち着いた性格である。何よりも足を伸ばして、ゆっくり過ごすのを好む。横たわっていると、体が平らであるように感じられるほどで、家にいてもとてもコンパクトである。

 このようにとてもおとなしく見えるボルゾイだが、ブリーダーたちは、1日に少なくとも1時間は、外でアクティブな遊びをさせるべきだと助言している。

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