ジャングルキャット: カフカスの川や沼の藪に生息する野生のネコ

ザウリ、モスクワ動物園のジャングルキャット

ザウリ、モスクワ動物園のジャングルキャット

Mikhail Bibichkov
この野生のネコは、ジャングルキャット、スワンプオオヤマネコ、リードキャットなど、さまざまな名前で呼ばれる。

 このネコは、主に中国と中央アジアに生息している。一方、ロシアでは、その大部分がダゲスタン、スタヴロポリなどに生息し、平地およびジャングルや川辺の葦原や藪を好み、開けた空間や山を嫌う。ジャングルネコは蛇を恐れたりせず、魚を獲るのを好む。獲物を狙い、捕獲するときには、待ち伏せをし、跳躍力を発揮する。

 ジャングルネコとイエネコの大きな違いはその大きさで、体重は最大で12キロに達する。尻尾は短く、また耳にはオオヤマネコのような房毛が付いている。ジャングルキャットは生まれたときには縞模様が付いているが、成長とともにその模様は消えていく。

 しかし、自然界でジャングルキャットに遭遇する確率はほとんどない。ジャングルキャットはひっそりと隠れた生活をしており、人間を避ける。加えて、ジャングルキャットは現在わずか500頭しか残っておらず(アムールトラよりも少ない!)、ロシアのレッドブック(絶滅の恐れがある野生生物のリスト)に登録されている。ジャングルキャットは珍種の動物の愛好家たちへの販売を目的とした密猟者の犠牲となっているのである。当然ながら、このようなネコを家で飼うことはできない。ジャングルキャットには自由が必要なのである。

 ジャングルキャットは、1776年に、エカテリーナ2世の命によりロシア南部の調査を行った博物学者のヨハン・ギュルデンシュテットによって発見され、初めて記述された。ちなみにギュルデンシュテットはシベリアでマヌルネコを発見したピョートル・パラスの指導の下で研究を行っていた。

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