この野生馬は、1878年にロシアの地理学者・探検家ニコライ・プルジェワリスキー(1839~1888年)によって発見されたが、1960年代後半までにほぼ絶滅した。その理由は、1944~1945年の極めて厳しい冬で、生息数が激減したせいだ。
現存するプルジェワリスキーウマはすべて、当時世界各国の動物園や自然保護区に残っていた、野生馬の子孫である。
野生馬と家畜馬は染色体の数が異なる。すなわち、家畜馬は64だが、野生馬は66だ。これにより現在の学者らは、かつては数種類の馬が存在し、野生馬と家畜馬の祖先は別々だったと考えている。
野生馬と家畜馬は外見も異なる。プルジェワリスキーウマは、ロバのような尾と小さな耳をもち、足はシマウマのような暗い縞模様で覆われている。また、黒い縞模様が背峰から尾まで走る。ただし、野生馬と家畜馬は交雑(交配)可能だ。
プルジェワリスキーウマは、ロシア版レッドブックおよび国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに記載されている。世界のいくつかの国では生息数回復の取り組みがなされている。
ロシアでは、2015年からオレンブルク自然保護区でこうした試みが行われている。その結果、オレンブルク草原では、早くも2018年に最初の子孫が誕生。現在、当地の馬の数は約100頭だ。
自然界では、この種の馬は、リーダー雄の率いる群れで生活し、残りの馬はすべて雄の「ハーレム」を形成する雌と子馬だ。保護区では、学者らが絶えず観察している。
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