サンクトペテルブルクはフィンランド湾に面しており、定期的に雨が降る。そのため、この街の住民の多くは常に傘を持ち歩いている。最も人気のあるミームの一つは、1703年、つまりサンクトペテルブルクの創設日以来、サンクトペテルブルクでは雨が降り続けている、というものだ。
当時のロシアとヨーロッパの最高の建築家によって作られたこの都市は、常に国中からの才能と野心を持つ人々を魅了してきた。多くの作家、芸術家、パフォーマーの本拠地であり、最高の美術館がある。自分は芸術に無関心だと思っていても、サンクトペテルブルクの美の世界に簡単に入っていける。まずはマリインスキー劇場やエルミタージュ美術館への訪問から始めよう!
夏にサンクトペテルブルクを訪れるなら、夜になるとネヴァ川に架かる街の橋が開き、街がいくつかの島に変わることを忘れないことだ。サンクトペテルブルクの夜の散歩は、特に白夜の時期にはとても楽しいものだ。
ただし、ホテルがネヴァ川の反対側にあって、橋がすでに上がっていた場合には、朝まで散歩するか、市内をぐるりと遠回りする高額のタクシーを拾うしかない。
サンクトペテルブルクには地元の人々がいう、所謂「猫の足音」法がある。午後10時から午前8時まで市内では大声を出す、口笛を吹く、叩く、家具を動かす、歌う、楽器を演奏するなどの行為が禁止されている。週末も午前8時から午後12時まで騒音を立ててはいけない。個人への罰金は最大5000ルーブル(約8000円)である。
もし歌って踊りたいなら、夜からあらゆることが始まるドゥムスカヤ通りへ向かおう!
サンクトペテルブルクの目抜き通りは最も観光客が多く、非常に賑やかでせわしない。中心部を静かに歩いてみたい? 路地を一本入ると、街の喧騒から離れた居心地の良い静かな場所がたくさんある。
「シャワルマ」(ドネルケバブ)はモスクワでは「シャウルマ」と呼ばれるが、サンクトペテルブルクでは「シャヴェルマ」と呼ばれることを覚えておいてほしい。見た目はまったく同じだが、それぞれの都市では自分達の呼び方が正しいとされている。この人気のストリートフードの正しい名前については文献学者さえも議論している!
通常、建物の入り口はロシア語で「ポドイエズド」(「車で接近する」を意味する動詞「ポドイエハチ」に由来)と呼ばれるが、サンクトペテルブルクでは正式にそれを「パラドナヤ」(「正面入り口」)と呼ぶ。そしてこれは住所の一部である。歴史的に中心部にある古い家のほとんどには正面入り口と裏口の両方があった。
一般にサンクトペテルブルクの住民は、ロシア語をよく知っている人にとってさえ理解しにくい他の言葉を使うことがある。たとえば「ポレブリク」は縁石、「バドロン」はタートルネックを意味する。
「プィシカ」もその一つだ。これは揚げたてのドーナツに粉砂糖をまぶしたものだ。このドーナツが販売されている場所は「プィシェチナヤ」と呼ばれており、非常にたくさんある。おそらく最も「観光客向け」の場所はボリシャヤ・コニュシェナヤ通りにあるが、他の場所も本当においしい。もちろん「プィシカ」はカロリーがたっぷりだが、重要なストリートフードであり、市民はみんなそれを誇りに思っている。
サンクトペテルブルクは33の島からなる街で、中心地から離れた要塞島クロンシュタットや、かつての工場地区を改装して公共の場としたユニークなワシリエフスキー島を訪れなければ多くのことを見逃してしまうだろう。
サンクトペテルブルクにはペテルゴフ、ロモノーソフ (オラニエンバウム)、パブロフスクなど、豪華な宮殿や公園のある旧皇帝の邸宅もある。少なくとも一つは訪れる価値がある。
サンクトペテルブルクは200年以上にわたってロシア帝国の首都だったため、地元住民はあまりモスクワを称賛しない。多くの人は、現在の首都に行くのは、そこにより多くのキャリアアップの機会があるため仕方なく行くものだと考えていて、サンクトペテルブルクを愛している。サンクトペテルブルクには最も美しい建築物やエルミタージュ美術館がある。したがって、サンクトペテルブルクの住民に、モスクワで気に入ったものや楽しんだこと、たとえば新しい地下鉄の駅や美術館などの話を決してしてはいけない。最高の地下鉄の駅や美術館はこの北の都市にしかないと誰もが思っている!
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