設計士はもともと、「クリスタル宮殿」のような駅を作ろうというアイデアを持っていた。46本の円柱が天井を支えているが、そのうちの30本は大理石、16本はキャストガラスで覆われている。
デザインのテーマは、大祖国戦争時のレニングラードの防衛である。駅には「勝利」と題された巨大なモザイク画が飾られており、シャンデリアや照明には剣や月桂樹の冠、その他の勝利のシンボルを見ることができる。
ちなみに、2014年にこの「アフトヴォ」は、ガーディアン紙が選ぶ世界でもっとも美しい駅ベスト12にランクインした。
またこの駅では映画の撮影が行われた。「シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険」で、ホームズが犠牲者の遺体を発見するのがこの「アフトヴォ」の車両基地である。もちろん、ストーリー上は、主人公たちはイギリスにいるのだが、「アフトヴォ」の車庫は赤ラインの駅の間に位置しており、イギリスの打ち捨てられた鉄道の線路の雰囲気を十分に醸し出している。
駅周辺の見どころ
「ヴィボルグスカヤ」はペテルブルクで植物園のある唯一の駅である。庭には、50種以上の観葉植物があり、そのうちのいくつかは駅が開業した1975年からここにある。ここに植物園が作られたのは、今でも植物を見守っている地下鉄職員のおかげである。ちなみにこの中には乗客が持ってきた植物もあるという。お天気の良い日には、駅はとても鮮やかである。
地下部分は石灰質化学沈澱岩であるトラバーチンで区切られている。階段を上るとそこには、1917年の革命に参加した労働者たちを描いた大きな絵が飾られている。駅の中はごく普通の作りになっているので、すぐに上に出て、植物園を見るとよい。
駅周辺の見どころ
ペテルブルクでもっとも宇宙的な駅。大きなUFOの形に作られている。「ゴリコフスカヤ」駅がこのような形になったのは最初からではない。駅は1963年に開業したが、その当時は丸い屋根のついた普通のパビリオンの形をしていた。ソ連時代、上のホールにはカフェがあり、軽い食事をしたり、シャンパンを飲むこともできた。2009年になって駅は修復され、UFOの形になった。
設計士らは、上のホールの屋根をクレーターのある月のように作ろうと考えた。しかし、地元の人々はこのアイデアがよく分からず、月ではなく、牛の乳房だと考えている。
駅周辺の見どころ
この駅は、2018年のサッカーのワールドカップに向けて開業した。ワールドカップの最終ステージはロシアのサンクトペテルブルクで開催されたことから、この駅はサッカースタジアム「ガスプロム・アリーナ」のすぐそばにある。駅の名前はサンクトペテルブルクの主要なサッカークラブの名称にちなんでいる。「ゼニット」は、ペテルブルク市民たちの誇りである。
ちなみに、駅にはもともと「ノヴォクレストフスカヤ」という別の名前が付けられていた。駅名はその後、改称されたのだが、地元の人々は今も古い名称で呼び続けている。
駅構内には、サッカークラブ「ゼニット」のカップが並べられている。1984年のソ連選手権の優勝カップ、それに2007年、2010年、2011年、2015年のロシア選手権のトロフィーもある。
駅には濃紺の石が貼られている。外壁の被覆材に描かれた白い点はフィンランド湾の波を表している。
駅周辺の見どころ
ペテルブルクの地下鉄でもっとも有鱗目的な駅である。壁は数百の金色の鱗でできた鎖かたびらのようにできている。壁は、列車が駅に近づくと美しい光を放つ。
オレンジラインから緑ラインへの乗り換え通路には騎士が並んだ装飾がある。しかし、よく見ると、5人の騎士に対し、馬は4頭しかない。下絵の段階で、間違いがあったのだが、画家自身も気がつかなかったという。人々は、この作品を面白がり、「5人の男と4頭の馬」と名付けている。
「アレクサンドル・ネフスキー広場2」駅の上のホールには、「氷上の戦い」と名付けられた巨大なモザイク画が架けられている。モザイク画の中央には、剣を振り上げ、ドイツ騎士団との戦いに向かうアレクサンドル・ネフスキーが描かれている。
駅周辺の見どころ
「アドミラルテイスカヤ」は地下86㍍に位置しており、世界でもっとも深い地下鉄駅の一つである。サンクトペテルブルクは沼地―柔らかい土壌の層に作られており、そこでトンネルを作ることはできないので、駅は深い地点に作られている。
興味深いことに、駅のホールはトンネルよりも上にある。列車は駅に近づくにつれて坂を上り、その後スピードをあげて坂を下る。この設計案は1940年代に承認されたもので、これにより建設費用を節約することができた。そんなわけで、駅の最深部はトンネルの中にあるということになる。
ちなみに、さまざまな問題により、「アドミラルテイスカヤ」は14年間もの間、開業できずにいた。開業は1997年に予定されていたが、実際には2011年になってようやくオープンした。この間ずっと、列車は「アドミラルテイスカヤ」には停車せず通過していた。そこで市民らは、この駅を「幽霊駅」と呼ぶようになった。
駅は海をテーマにしている。ホールでは「海軍本部の創設」と題されたモザイク画を目にすることができ、入口には船を描いた絵が飾られている。このほか、駅は錨で装飾されており、床には風配図が描かれている。駅名の横には、海軍本部の塔にも飾られている船が見える。
駅周辺の見どころ
この駅が開業したのは2019年。デザインのアクセントとなっているのがソビエトの星がついた明るいステンドグラス。ホール全体に長く使われている。白い大理石が多用され、ステンドグラスの赤い星とよくマッチしている。
しかしもっとも面白いものは上にある。南のホールは消防士たちに捧げられている。天井に巨大なモザイク画が飾られ、通路には消防車が並べられている。最初の消防車、革命前のものから近代的なものまである。
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