今では使われていない不気味なピオネール・キャンプ(写真特集) 

Mysli o zhizni/ youtube.com
 多くのソ連の子どもたちがかつてここで最高の時間を過ごしたが、今は臆病者には近寄れない場所になっている。

 ソ連時代、子どもたちのためのピオネール・キャンプは、レクリエーションと教育の両方の目的のためのサマーキャンプとして始められたアメリカのボーイスカウト・キャンプと同じようなものである。ソ連で育った人なら少なくとも一度はこのようなキャンプに参加したことがあり、毎夏行っていた者も多くいた。

 これらのキャンプは、子どもたちがおおいに啓発され、社会性を育み、肉体的にも精神的にも成長できる活き活きとした場所であった。

 1991年にソ連が崩壊した後にも、ピオネール・キャンプの多くはロシアの子どもたちを毎年受け入れていた。しかしいくつかは、放棄され、朽ち果ててしまっている。

 これらの場所にはもう子どもたちを惹きつけるものはないが、打ち捨てられて老朽化した不気味なキャンプを美しいと感じる写真家たちには無限のインスピレーションを与えるようになった。

 2020年9月に@nakifariaという名前のツイッターユーザーが、廃棄されたピオネール・キャンプの写真を投稿するスレッドを立てた。ここにいくつかの最高の写真を紹介しよう。

「1990年代初頭にピオネール活動が停止され、ソ連邦が崩壊したあと、人々は何も持ち出さずにキャンプにから逃げるように去って行った」。

「ピオネール・キャンプは子どもたちの健康に役立っただけでなく、愛国心をも育んだ。今では、打ち捨てられた場所を好む人たちのための巡礼地になっている。そして残念なことに、以前のピオネールの素晴らしさは今の時代にほとんど伝えられることはない」。

「クドリャフツェヴォ」キャンプは、19世紀に建てられた木造の本館と教会が目を引く旧サムソノフ邸の敷地内にある。ソ連時代、かつての屋敷を国有化して公共施設として使用することはよくあることだった。

「クドリャフツェヴォ・キャンプには9棟の居住用建物、ピオネールの銅像、ロータリー付きの運動場がある。これらすべてが(中略)ゆっくりと朽ち果てつつある」。

「完ぺきに保存されたソ連時代のモザイク作品が「チャイカ」キャンプの通路沿いの茂みの中に見られる。これらが何年も先まで残って、ソ連時代のモザイク芸術の遺産として国家によって保護されることを望む」。

「児童文学出版の従業員の子弟のためにつくられたスカースカ・キャンプには、びっくりするような彫刻が飾られている。人間の想像力には限界がないと再認識させられるが、時の経過はどんな芸術も不気味なものにすることが分かる」。

「不気味なものの話ばかりになるが・・・、モスクワ近郊のサリュート・キャンプにある子ども向け寓話の彫刻は驚くばかりだ」。

 「カルーガ州にあるカヴェリノ・ピオネール・キャンプは1980年代にバラバノフスキー・マッチ工場の従業員の子弟のために作られた。このキャンプの設備は驚きである。多くのコンクリート造りの建物、映画館、ゲームセンター、避難シェルター、図書館、病院、もちろん遊園地もある」。

「子どものためのキャンプには、あちこちに面白い建築物がある。たとえばこのニジニ・ノヴゴロド州にあって放棄されたレニネツ・キャンプを見てみよう」。

「モスクワ地方にあるサリュート・ピオネール・キャンプの本館の前には人工衛星の模型が作られていた」。

「ソ連軽工業省の下にあったユビレイヌィ・ピオネール・キャンプはコリュバキノにあった。なんと美しいソ連の遺産なのだろうか!」

 モスクワ地方にあるレーニンの名がついたピオネール・キャンプの壁に描かれた絵も、愛国教育的内容となっている。

「クリミア地方にあるフォロス児童キャンプは2014年に閉鎖された。ここで働く人たちは、近くの住居用建物に住んでいた。食堂、ダンスフロア、夏の映画上映場、通常の映画館は今も徐々に劣化しつつある」。

「トヴェリ州、コナコフスキー地区、エネルゲチク村―ここにあるのが、ヴォルガ川河岸に廃棄されたエネルゲチク・キャンプがある。まったく警備はされていない」。

「ノヴゴロド州にあるレスノエ・ピオネール・キャンプ」

「伝説的なモルスコイ(ピオネール・キャンプ)はジグリ海沿い、トリアッティの近くの絵のように美しい場所にある。ここはクイブィシェフにあるフルンゼ工場の子どもたちのためのものである」。

「多くの人が大好きなようなので、もっと多くの(キャンプの)写真を紹介しよう」。

「まだまだある」。

 「チェリャビンスク地方のある場所。アラクル湖に行くのにヒッチハイクしたら偶然このキャンプに行き当たった」。

ロシアで打ち捨てられた場所50カ所の写真を見るにはこちらからどうぞ

「ロシア・ビヨンド」がLineで登場!是非ご購読ください!

もっと読む:

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる