植物園の樹木は、サンクト市創建300年を記念して、日本政府から贈呈されたもの。ピョートル大帝植物園にはおよそ200本の桜、さくらんぼの木が植えられている。開花の最も遅いもので5月20日前後。
「友好の庭園」
Legion Media「友好の庭園」は、姉妹都市である上海からの贈り物で、庭園は上海の「豫園」を小さくしたコピーとなっている。
モスクワでは、複数の場所で桜の花見ができる。例えば、ロシア科学アカデミー中央植物園、ビリュリョフスキー樹木園、モスクワ大学の薬草園と植物園がそれだ。桜の開花時期が5月の祝日とうまく重なるため、モスクワっ子は喜んで花見をしに行く。
ビリュリョフスキー樹木園
Andrey Nikerichev/Moskva Agencyロシア科学アカデミー中央植物園
Andrey Nikerichev/Moskva Agencyロシア科学アカデミー中央植物園の「日本庭園」は1987年に開園し、このために桜の木が日本から運ばれた。安倍晋太郎外務大臣(当時)がその1年前に、最初の木の植樹を行っていた。庭園の設計を行ったのは、造園家の中島健氏。庭園では、北海道から運ばれた桜が約250本育っている。
ロシア科学アカデミー中央植物園の「日本庭園」
Andrey Nikerichev/Moskva Agency日本庭園では、桜、ツツジ、カエデ、ハルニレなど、100種類以上が育てられている。
ビリュリョフスキー樹木園
Sergey Kiselev/Moskva Agencyコローメンスコエ公園も花見で有名だ。
「北の都」の花見の最も有名なスポットは、ピョートル大帝植物園、そして、リチェイニ通りにある「友好の庭園」である。
サンクトペテルブルク植物園
Legion Mediaサンクトペテルブルク植物園は1714年にピョートル大帝の薬草園として開園。その後、外来種の植物が次々に持ち込まれ、20世紀初頭には世界でロンドンのキュー王立植物園に次ぐ規模にまで発展した。第二次世界大戦でコレクションの大半が失われてしまったものの、現在ではかつての美しい姿を取り戻している。
日本の石灯籠、クレストフスキー島、 サンクトペテルブルク
Legion Media植物園の樹木は、サンクト市創建300年を記念して、日本政府から贈呈されたもの。ピョートル大帝植物園にはおよそ200本の桜、さくらんぼの木が植えられている。開花の最も遅いもので5月20日前後。
「友好の庭園」
Legion Media「友好の庭園」は、姉妹都市である上海からの贈り物で、庭園は上海の「豫園」を小さくしたコピーとなっている。
黒海沿岸のソチ市のデンドラリュウムという植物園も花見で有名。
そして、数年前には、ソチの保養地「イメレチンスキー」にも、露日友好の印として桜の庭園が造られた。
花や木を愛でるのが好きな人にとって春の終わりはロシア極東を訪れるのに最適な季節のひとつだろう。
ウラジオストクの春は遅い。レンギョウ、アンズ、モクレンといった木々が葉を茂らせるのは5月半ばごろ。お隣の日本ではもうお花見の季節がとうに終わってしまった後だ。
何種類かの桜をウラジオストクに持ち込もうと言う試みがあったが、桜はたちまち凍てついた。しかしついに日本人が沿海地方の気候に合う種を見つけた。最も大きくて美しい桜の庭はウラジオストク経済サービス国立大学の敷地内にある。木々に花が咲くと、これは「Sargent’s cherry」(オオヤマザクラ)という種であることがわかった。これはサハリンやクリル諸島、北海道、朝鮮半島などで一般的に見られる種であるが、沿海地方の海岸沿いでも見ることができる。
沿海地方では、桜の代わりにイソツツジやシャクナゲの花を愛でる。このシャクナゲのロシア語名はロドデンドロンといって、ロシア人にとっても外国人にとっても発音しづらい名前である。
シャクナゲはその年の冬の気候によって、3月に咲き始めることもあるが、通常4月から6月末まで花をつける。人々はシャクナゲの花を楽しむため、森や山へ出かける。その行き先はたとえば、ピダン山(リヴァディスカヤ山)。シャクナゲは1994年にウラジオストクの公式シンボルとなった。
中でも最も美しいのが丘の南の麓のハサン地区に生育するシリペンバッフという種。花は大きく、最大で7㌢もある。真っ白か淡い桃色をしている。このシャクヤクが最初に発見されたのは韓国で、フリゲート艦「パラダ」号に乗った将校アレクサンドル・シリペンバッフによる記述が残されていることからこの名がつけられた。
20世紀半ば、ジギトフカ川上流地域の唯一の支脈であるシホテ・アリニのウスリースカヤ・タイガで変わった木の林が見つかった。植物学者らは沿海地方の北部に、白い花と冬になると筒状に丸くなる皮の厚い葉をつける常緑樹があるということを信じることができなかった。ハクサンシャクナゲは毎年花をつけるわけではないため、大きな幸運に恵まれない限り花を見ることはできない。 低木広葉樹レンギョウの鮮やかな黄色をした星のような花は4月末に咲く。レンギョウの花は市内の広場や「アカデミーチェスカヤ」駅周辺の道路の脇にある巨大な青銅のトラの記念碑のそばで目にすることができる。
レンギョウに続いて花をつけるのはアンズ。沿海地方にはここにしかない野生の満州のアンズ種がある。1000年前からここで栽培されるようになったものだ。野生のアンズは淡いピンクの花をつける小さな木であるが、ウラジオストクでは人工栽培種が根付いている。大きな木で、花は蕾の時には濃いピンク、開くと少し明るい色になる。これらの木は丘の斜面や通り沿いに散見することができる。
アンズが終わったあと、5月初旬に大きな白い花をつけるのがウスリー梨。美しい梨の木は100年大通りにあるウラジオストクの主要道路を飾っている。またスタジアム「ストロイーチェリ」のそばには梨と並んでアンズの林がある。
現在、市内には数十のモクレンが公園を彩っており、ウラジオストク植物園は、南方の木であるモクレンのロシア最大ともいえるコレクションを有している。およそ20種類のモクレンが5月から6月の終わりにかけて花をつける。ボタンは5月半ば、シャクヤクよりも数週間早く開花する。しかし花が咲いて2〜3日で枝から落ちてしまうため、最も美しい短い瞬間を捉えるのは容易ではない。
信じがたいが、隕石落下で有名な、工業都市チェリャビンスクにも桜がある。5月末に、プーシキン公園で満開する。
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