ヴェリーキー・ノヴゴロド:ロシアの「銀のネックレス」における宝石をなぜ見る必要があるのか

ヴァルダイのイヴェルスキー修道院

ヴァルダイのイヴェルスキー修道院

Legion Media
 信じられないかもしれないが、ロシアに来るほとんどすべての外国人がよく知っている観光ルートである世界的に有名な「黄金の環」とは別に、もう一つのユニークな観光ルートが存在する。それは、ノヴゴロド、ヴォログダ、プスコフ、レニングラード州、カレリアを巡る「銀のネックレス」だ。

 ノヴゴロド州への旅行を検討している人のために、このエリアとその歴史を実際に知るために見逃せないアクティビティと興味のある場所のリストを紹介する。

1. ヴェリーキー・ノヴゴロドにおけるルーシの国家の歴史を学ぶ

ヴェリーキー・ノヴゴロドのクレムリンとソフィア大聖堂(中央)

 もちろん、この都市は見逃せない。ここは、千年以上前に建立されたロシアで最も古いソフィア大聖堂がある、ロシア国家の歴史的中心地であり、ロシア全体の権力の場だった。この都市はヴォルホフ川の両側にまたがるルーシ初の入植地であり、一方には印象的なクレムリン、他方には歴史的な市場地区となっており、中世の教会や建物が存在する。

 夜の古代墓地見学や街のアルコツアー(地元の食べ物や飲み物を試す場所)など、さまざまなカスタムツアーで歴史的なツアーを楽しむことができる。市内観光の詳細については、こちらをご覧ください。

2. クレスツィで伝統工芸の工場を散策する

 クレスツィ織は、ロシアの伝統的な模様だ。1860年代にこの地域で生まれて発展してきた民芸品だ。ソビエト時代には、この地でユニークなリネン製品を生産する小さな工場が建てられた。ペレストロイカの間に起きた国の壊滅的な経済危機により工場はほぼ閉鎖された。クレスツィ織が完全に忘れられてしまうことはあり得ないことではなかった。現在は、私有の小工場とショップになっており、ガイド付きツアーがある。

 模様は非常に美しく、習得するのが難しいため、傑作の誕生を見られる可能性は非常に珍しい。詳細については、工場のウェブサイトをご覧ください。

3. リャコヴァ村で古儀式派の信徒に出会う

 ロシアのいわゆる「古儀式派」は、17世紀ロシアにおける正教会の改革を受け入れず、代わりに、教会奉仕と儀式の古い伝統を、国家の迫害を反抗しつつ何世紀にもわたって維持することを選択した。古儀式派信徒は2つのグループに分かれている。教会のヒエラルキーを受け入れる人々と司祭をまったく受け入れない人々で、後者は自分の家で祈り、コミュニティのリーダーによって統治されている。現時点では、約100万人の古い信者が全国に散らばっており、その数字を確認する公式の統計はあ存在しない。

 リャコヴァ村の古儀式派信徒は、古い伝統的な農民の家屋で旅行者を歓待し、この村がどのように組織され、農民の古い過去の生活がどのようだったかを説明してくれる。このような滞在体験には、ボルシチ、サーロ(豚のスクラッチチング)、伝統的なサモワールで提供されるお茶を含む伝統的な昼食がついている。チケットはこちらで予約してください。

 

4.ヴァルダイ国立公園でのエコトレイルを楽しもう

 この国立公園は、ロシアのヨーロッパ地域で最大の特別保護地域の一つだ。ロシアのプーチン大統領も、ここに「ダーチャ」の一つを所有している。 15万9千ヘクタールの面積を持つ公園の敷地には、いくつかの湖(ボロフノ湖、ヴァルダイ湖、ヴェリヨ湖、セリゲル湖)があり、珍しい動植物が生息している。

 多くの自然愛好家がハイキング、湖での遊泳、キャンプのためにここにやってくる。今年には大きなエコトレイルが開始された。ハイキングを楽しむなら、ヴァルダイの町から出発して、1日約12キロメートルずつ、5日間で合計59キロメートルを歩くことができる。途中、キャンプして自然の中で時間を過ごすために必要な、トイレからキャンプ用具、様々なアメニティまで全ての施設や用品がそろっている。詳細については、公園のウェブサイトをご覧ください。

5. ヴァルダイのイヴェルスキー修道院を訪れよう

 ヴァルダイの町から10キロメートルのところの島にあるこの修道院は、遠くから見ると湖に浮かんでいるように見える。

 この修道院は、1653年に設立された正教会の男性のための修道院で、総主教ニコンによって設立された三つの修道院の一つだった(彼が行ったロシア正教会の改革とギリシャ正教会との統一によって、「古儀式派」と「正教会」が分離した)。神の母のイコンであるイヴェルスカヤは、この修道院の宝物であり、この場所への巡礼が活発な理由だ。

 

6. ヴァルダイ鐘博物館で鐘を鳴らそう

ヴァルダイ鐘博物館

 ノヴゴロド州は、リューリク朝のルーシ国家の中心だった。キエフ・ルーシの崩壊後、この地域は共和政体を持つルーシにおける自治国家だった。そのシンボルは、市民を集めて投票を行い、地域社会の問題を解決するために全ての市民が鳴らすことができた大きな鐘だった。したがって、ロシア初の鐘の博物館がここに開かれたのは偶然ではない。

 ナデジダ・ヤコブレヴァさんをガイドにできれば、歴史的事実を紹介してくれる。これもまた魅力的でとても楽しいものだ。

7. リュビティノ村で10世紀の村の生活を体験してみよう

リュビティノ村

 この古代スラヴ村は、観光客に何世紀も前のここでの生活を味わってもらうために修復された。この村には、様々な種類のロシアの木造コテージ(イズバ)の他、スラヴ人が埋葬儀式に使用した施設や古代の墳墓がある。

 この場所で完全に当時の人々になりきりたい場合には、当時の伝統的な服を着て写真撮影をすることができる 

 

8. ボロヴィチの民間伝承博物館

 この場所は、1918年に設立されたこの州で最も古い博物館の一つで、中二階のある19世紀の石造りの家が用いられている。石器時代から1917年の革命までのこの地域の歴史が展示解説されている。

 19世紀の終わりまでに、ボロヴィチは、二つのロシアの首都の間にあるこの地域の重要性を強調したオルデンブルク大公家の後援の下に開催された最初の国際的な農村工芸品と産業の展覧会によってヨーロッパで名声を得た産業都市になった。フランスはその後、展示品の半分をプレゼントした。

 この地域はまた、ここで生産されたユニークな生産品で知られている。ゴリツィン家の露仏合弁パイログラニテ工場はボロヴィチにあり、それを生産するための過程は今日まで秘密となっている。この素材は、1889年にパリで開催された万国博覧会で銀メダルを獲得した。

 ロールプレイや様々な楽しいゲーム、そして美しい物語など、多くのアクティビティがあるため、ここではガイドを利用することを強くお勧めする。詳細はこちらをご覧ください。 

 この州についての案内が必要な場合は、ルス・ノヴゴロツカヤ・ツーリストセンターに気軽にアクセスしてください。

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