1838年につくられたノヴォロシースク(モスクワの南方およそ1480キロ)は、巨大な産業都市であり、黒海最大の港である。ここは一年中賑わっており、バケーションシーズンが終わった後でも休むことはない。ここは黒海沿岸で唯一大型船舶がバースまで着くことができる、十分深くて長い都合の良い湾を擁しているおかげで、毎日、大量の貨物が到着する。
気候は温暖で(この湾は冬でも凍結しない)あるが、竜巻や強風に見舞われることもある。「ボラ」と呼ばれるこの現象は時に風速が時速150キロに達することもあり、大きな被害をもたらすことがある。2017年の9月には、ボラが何十本もの木々をなぎ倒し、屋根やバス停留所に被害を与えた。地元の人々はこのような環境のもとで生活する術を身につけているが、彼らですら外出を控え、家に留まることがあるという。
人口は30万人(大きなギリシャ人居留地を含む)を超え、ロシアのサイバーセキュリティ分野の大御所、エヴゲニー・カスペルスキーの故郷であるノヴォロシースクは退屈なわけがない。それほど「勤勉」な雰囲気であるに拘わらず、観光客にとっての楽しみには事欠かない。ダイビング、ヨット、ナイトクラブを楽しめる。
1967年と1973年の中東戦争に参加した黒海艦隊の軍艦で、現在は博物館となっている「ミハイル・クトゥーゾフ号」が係留されている海岸は地元の人々もお気に入りだ。週末になると、海岸や近くの砂浜では地元の人々がリラックスしているのを見ることができる。
ノヴォロシースクはロシアの「英雄都市」の一つである。1943年、地元兵士と水兵からなる小部隊がナチスドイツから30平米の土地を奪い返し、赤軍によって解放されるまで、225日間守り通した。このマーラヤ・ゼムリャ(小さな土地)と呼ばれる場所には記念碑が建てられ、彼ら英雄を讃えている。見逃せない場所の一つである。
ノヴォロシースクは、ロシアにおけるワインの生産地として知られている。1870年にロシア皇帝アレクサンドル2世によって始められたアブラウ・デュルソ・ワイナリーは市内からそう遠くないところにあり、有名なテーブルワインとスパークリングワインを生産している。これらのワインは今でもしばしばクレムリンのレセプションでも供されている。
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