モスクワと名付けられた街や村は(ロシアの首都の他に)30ほどある。
驚くかもしれないが、モスクワが一番多いのはアメリカで、20以上存在する。
全モスクワのうちロシアにあるのはたった3つだけだ。トヴェリ州とプスコフ州、そしてキロフ州に一つずつある。
今回はロシアへ行かずにチェックインできるモスクワという居住区を7つピックアップした。
1. 最もヨーロッパ的なモスクワ
ベルギーのモスクワ(モスカウと呼ばれる)はヘント市に位置する。この地は1814年から1815年のナポレオン戦争の間にロシア帝国軍ここに布陣したことに因んでこう名付けられた。モスカウは1977年にヘントの一地区になった。現在およそ5千人が暮らしている。
2. ヨーロッパで最古のモスクワ(元祖を別にして)
モスクワというこの小さな町は、ポーランドでは1418年から知られている。首都ワルシャワから130キロメートルのところにあり、人口110人を誇る。伝承では、モスクワという名は、モスクワから帰還後にこの居住地を確立したプリフタという地主と結び付いている。
3. アジアの精神を持つモスクワ
インド南部のモスクワという居住区は、ソヴィエト・ロシアに触発された地元の共産主義者らによって名付けられた。村にはレーニンたち、ガガーリンたち、フルシチョフたち、ブレジネフたち、プーシキンたちが住んでいる。皆ロシア風の名前を付けられたインド人だ。ロシアの指導者に因んで子供を命名するインド人の陶酔はソヴィエト国家の崩壊以後減退している。
4. ヴォルガ・バーン河畔のモスクワ
モスクワというこの小さな村は、スコットランドのイースト・エアシャーにある。居住区の本来の名称“Moss-hall”あるいは“Moss-haw”が1812年のナポレオン戦争を機に変化した。伝承によれば、村の名前は1812年のモスクワの火災に由来する。さらに、1853年から1854年のクリミア戦争の後、ロシア難民がこの地域に落ち着き、周辺にロシア風の名前を付けていった。118人だけがここに暮らしている。
面白い事実:ヴォルガ・バーンと呼ばれれる小川がこの村から流れている。ヴォルガといえば、ロシアで最も長い川で、そしておそらく最も有名だろう。
5. アメリカで最も人口の多いモスクワ
アメリカには20以上のモスクワがあるが、アイダホにあるものが最も人口が多い。そこには2万4千人が暮らす。街にはまた、州で最も古い公立大学がある。
この街は一世紀以上モスクワと呼ばれているが、当初はこの名ではなかった。この地域はかつてホッグ・ヘヴンと呼ばれ、豊かな土壌で知られていた。アメリカで初めての郵便局が1872年に開業したとき、この街はパラダイス・ヴァレーと呼ばれていたが、1875年に街の名は“モスクワ”に変更された。名前の由来はよく分からない。
6. 典型的なアメリカの行政区モスクワ
一般にペンシルヴェニアのモスクワは、1850年にロシアから渡ってきたルター派の牧師ピーター・ルパートによって名付けられたと考えられている。彼か、もしくはロシアからの移住者がこの地に名前を付けたという確固たる証拠はない。最初の郵便局長レアンダー・グリフェンの気まぐれで、この地域がたやすくモスクワに改名されたという可能性もある。彼は1814年に居住区で初めてのよろず屋を開いた人物だ。
1877年には郵便局長のサミュエル・ネフが街の公的な書類において、郵送許可を申請するさいにモスクワと書いている。ネフが言及しているのは生まれ故郷のペンシルヴェニアのモスクワであって、ロシア最大の都市ではない。
現在ここは、アメリカの他のモスクワ同様、人口2千人以下の小さな行政区だ。
7. 19世紀にモスクワの戦いを目撃した地域
テネシーにあるモスクワの街は南北戦争中の1863年12月4日に戦場となった。現在ここにはモスクワの戦いの記念碑がある。
街の名前の由来はよく分からない。とはいえ、ここには550人のモスクワっ子が暮らしている。