1. トルコ・アンタルアのクレムリン
ちょっと想像してみよう。あなたはロシア人で、クレムリンを熱愛しているが、トルコに休暇に行きたいと思っている、と。さて、アンタルヤのクンドゥ地区にあるこのホテルは、あなたのジレンマを解決してくれる。ロシア人がここでホームシックになることは絶対にない。
ホテルのオーナーがウェブサイトに書いているところでは、「ロシアのオリジナルのクレムリンにインスパイアされ、『WOW Kremlin Palace』を建設した。壮大な雰囲気に浸り、ロシアのツァーリの居城を見ることができる」ということだ。
このクレムリンのコピー以外にも、プール付きの聖ワシリイ大聖堂があり、またミニ・ボリショイ劇場(ミニ大劇場という形容矛盾になるが)、歴史博物館、その他のロシア風建築を楽しむことができる。
モルドバ共和国・ソロキのボリショイ劇場
モルドバの小さな町、ソロキは、ウクライナとの国境の近くにある。住民のほとんどはロマ(ジプシー)で、ここに豪華な大邸宅を建てており、世界中から観光客を呼び込もうとしている。ここでは、ホワイトハウス、聖イサアク大聖堂、ボリショイ劇場を、一箇所でまとめて見ることができる。
3. 北京の生神女福音大聖堂(ブラゴヴェシェンスキー大聖堂)
中国は、コピーを作りがうまいことで有名だ。 2013年、中国のデベロッパーは、クレムリンに触発されて、北京市の門頭溝区(もんとうこうく)に、オフィス複合施設を建設することを決めた。4つの豪華な建物の1つに、門頭溝区気象局がある。
複合施設は、金色のドーム、アーチ形の窓、白い壁などが、クレムリン内部の聖堂にそっくり。唯一の違いは、ドーム上に十字架がないことだ。
メディア報道によると、地方政府は少なくとも3000万元(約5億5千万円)を建物に費やした。
中国・満州里市の「母なる祖国像」
中国・満州里市は、ロシア国境からわずか5キロの地点だから、ロシアの観光客がたくさん来るのは別に驚きではない。しかし、彼らにはサプライズが待っている。ここには、ロシアのモニュメントのコピーが数十点もあり、そのなかには、有名なピョートル大帝像「聖堂の騎士」(サンクトペテルブルク)、高さ30メートルの「母なる祖国像」(ヴォルゴグラード)、「労働者とコルホーズの女性」(モスクワ)などがある。
ロシアの文豪の記念碑としては、アレクサンドル・プーシキン、イワン・トゥルゲーネフ、アレクサンドル・オストロフスキーなど。必ずしも正確に再現されているわけではないが、とにかくこの公園の彫刻群は印象的だ。
中国・満州里市のマトリョーシカ広場
超巨大マトリョーシカの大コレクションがやはり満州里市にある。ここのマトリョーシカ(入れ子式木製人形)は、途方もない大きさで、25~30メートルの高さがある。様々なサイズのマトリョーシカが約200体も屹立しており、そのなかに店やレストランが入っている。
また、ここにはロシア美術館と「ホテル・モスクワ」のコピーもある。2000年代にオリジナルは再建されているので、この姿のホテルはもはやロシアには存在しない。それを見られるのは中国のこの場所だけということになる。
ドイツ・ルストの宇宙ステーション「ミール」
ドイツ・ルストにあるテーマパーク「ヨーロッパ・パーク」も有名だ。ここには、宇宙ステーション「ミール」や、ロシアの宇宙飛行士トレーニングセンターのコピーもある。また、この建物のなかには、宇宙エキシビションや宇宙船内部を再現したものも。
このほか、興味深いパビリオンとしては、ロシアの鉄道駅や村があり、訪問者は伝統工芸を学んだり、橇に乗ることもできる。
ノルウェー・キルケネスのマリンキ(小)劇場
ノルウェー・キルケネスのマリンキ(小)劇場は、2018年夏にオープンする予定で、「ロシアン・ハウス」の重要なランドマークになる。このプロジェクトの公式ウェブサイトによると、バレエ「白鳥の湖」がここで放映されるほか、「最高のロシア料理のサンプルを提供する」という。
ノルウェーのメディア報道によれば、このプロジェクトは、地元の起業家、カレ・タンヴィクさんによるもの。彼は、ロシアとの国境を越えずに、ロシア文化に浸ろうと提案している(国境までは車でわずか15分だ)。