中国人旅行客はオーロラを求めて

Sergei Stroitelev
 モスクワとサンクトペテルブルクを訪れる中国人旅行客は、年々増加している。一部の人は珍しくて冒険的なものを探し始めた。行き先は北西部ムルマンスク州。

セルゲイ・ストロイテレフ撮影セルゲイ・ストロイテレフ撮影

 アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の映画「裁かれるは善人のみ」(2014年)が第87回アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされてから、辺境の地テリベルカ村は人気の旅行先になった。中国人の間でもそうである。ロシアを訪れる中国人は近年、増えている。

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 ムルマンスク州の行政中心地ムルマンスク市の東北東120キロに位置するテリベルカ村には、オーロラがひんぱんにあらわれる冬、より多くの人が訪れる。中国人旅行客も、特別な自然現象を見学しようと、ここを訪れる。

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 テリベルカ村は中国人の巡礼地となり、地元の人の多くが家やマンションをホテルに変え、また観光客を乗せてさまざまな観光スポットに連れて行く。

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 北極海に面するこの小さな村は、中国のロシア旅行ガイドブックでオーロラを見れる街として一押しされている。旅行客はホテルの中で多くの時間を過ごし、夜になるとオーロラを求めて冒険を始める。

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 滞在中は、ロシアのペリメニ(水餃子)や、インスタントラーメン、ロシアの食材を使った中国料理などを食べる。

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 中国人旅行客は厳しい気象条件や強風を心配することはない。特別な天気予報アプリをモバイルで確認する。寒くて晴れていると、オーロラがでる可能性が高い。

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 だが予測通りとはいかない。オーロラを見るまで何日、何週間も待たなくてはいけなくなる人も多い。まったく見れないこともある。1月と2月はオーロラを一番よく見る時期。

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 オーロラを見る旅は安くはない。中国からムルマンスク市までの航空券は3~5万ルーブル(約5万5000~9万2500円)、ムルマンスク市からテリベルカ村までの移動は1万ルーブル(約1万8500円)。

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 時に、余計な費用がかかることもある。天候が悪いと、ムルマンスク市に戻る道が危なくなり、飛行機に乗り遅れる可能性がある。そうなるとホテルの宿泊費が余分にかかってしまう。

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 だが概して、その価値はある。エキゾチックな北部の旅は常に冒険であり、オーロラという貴重な見返りがあるのだから。

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