重くて風光明媚なソロヴェツキー諸島

ソロヴェツキー修道院

ソロヴェツキー修道院

=アレクセイ・ザドンスキー/Wikipedia
 ソロヴェツキー諸島の旅のシナリオをロシアNOWが3つ用意した。

 ロシア北部のソロヴェツキー諸島は矛盾の地。聖なる場所で冒涜の場所、ロマンティックで過酷、醜くて美しい。一年の大半凍っているこの島々は、人々の感情を揺さぶる。

 ソ連時代の20世紀半ば、ここには巨大な強制収容所があった。過酷な気候条件と、本土から離れている故の食料の供給問題で、収容者の間では致命的な病気が蔓延していた。かわいそうな人々は苦しめられ、虐げられた。岩や丸太を運ばせられたり、何時間もぶっつづけで「インターナショナル」(国際的なプロレタリアの歌)を大声で歌わされたりした。拷問、非人間的な労働条件、銃殺などにより、ここでは何万人もの人が死亡した。

 だが今日のソロヴェツキー諸島は、ロシアで最も穏やかな場所の一つになっている。暗いオーラのある風光明媚なこの場所で、何をしたらいいのだろうか。

 

ボートからカモメの餌付け

 ソロヴェツキー諸島には、アルハンゲリスク州の行政中心地アルハンゲリスク市から飛行機で行くこともできるが、カレリア共和国のケミ市やベロモルスク市から船で行く方がずっと楽しい。カモメの餌付けができるように、パンを持っていくのを忘れないようにしよう。

 白海を進む船の甲板で毛布に包まれながら立っていると、大きな白い鳥がおもしろい鳴き声をあげながら近づいてきて、投げる餌を上手にとらえる。

 

 平穏は突如として破られる。甲板に他の観光客がどんどんあがってくる。誰もが貴重な光景を自分の目で見て、記憶に残したいと考えるのだ。霧の中からソロヴェツキー要塞の壁と塔が徐々に浮かび上がってくる様子を。

 

レボルダ村を自転車で走行

 諸島の主要な島で、船が着岸する大ソロヴェツキー島には、とても快適なホテルがある。ゆっくり滞在しよう。歴史ある有名なソロヴェツキー修道院を観光したら、自転車をレンタルしてレボルダ村を走り、木造の家、放牧された牛、砂の道を歩くヤギの間を進もう。

 

 ここに住民登録している人は一人しかいない。冬季は唯一の住民である。夏になるとレボルダ村には先住民のポモール人たちが本土から漁をしに来る。数百年前と同じように、平底船で海に出て、熊手で海底から海藻を引き上げ、有刺鉄線に干す。

 

 岩でゴツゴツしている風吹く島を散歩するのはとても心地良い。どこの景色も絵のように美しい。画像共有サイト「インスタグラム」にすぐに写真を投稿したくなるが、ソロヴェツキー諸島にインターネットはないから、ちょっとがまんしなければいけない。

 時々、錆びた有刺鉄線と風でやせ細った木の柱を見かける。これを見て気分が暗くなったり、重苦しさを感じたりする敏感な人もいる。ここには苦しみと絶望の道、収容所に続く狭軌鉄道があった。

  

不思議な迷路の中をさまよう

 興味深い場所は大ソロヴェツキー島だけではない。大ザヤツキー島にも行く価値はある。ソ連時代、ここには女子懲罰独房があった。

 

 一方、他では見ることのできない驚きのツンドラの植生、見た目は奇妙だが食べることのできるベリー、ピョートル大帝が1702年に建設した、ロシア北部特有の木造の聖アンドレイ・ペルヴォズヴァンヌイ小聖堂も、この島にはある。

 この小聖堂の十字架は異教の地に影をつくる。島の奥深くに進むと、小道のわきに石の塚が見えてくる。感動的な古代迷路だ。学者によれば、紀元前数世紀につくられたものだという。これはいったい何なのか。漁網の図面、儀式の図、あるいは魂の抜け出せない古代のシャーマンの墓迷路など、専門家の意見はさまざまである。

 

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