旅行者の間で最も人気の高いカムチャツカの温泉は、「マルキンスキエ(Malkinskie)」温泉と考えられている。源泉は底から湧き出て、硫化水素のにおいを発しながら、自然の湯船をつくっている。湯温は+20度~+40度ほどだが、+84度まで上昇する場合もある。これは当地の地下プロセスによって変化する。マルキンスキエ温泉は温度差を楽しみたい人にはぴったりだ。一つの温泉から、別の冷泉へと、またその逆に移動できる。
マルキンスキエ温泉での宿泊には、温水プールつきの旅行基地のロッジや、駐車場完備のキャンプ場など、さまざまな選択肢がある。近くには冷鉱泉があり、そのミネラルウォーター「マルキンスカヤ」は心臓血管疾患に効くと言われている(ペトロパブロフスク・カムチャツキーの店などでも販売されている)。
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スノーボードで30度の温泉の湯けむりをくぐりながら滑走したり、隠れた温泉の上をジャンプしたりと、アクティブな旅行を楽しみたい人には、リゾート「雪の谷(Snejnaya Dolina)」がある。フリーライドをした後、熱い温泉で筋肉をほぐすことができる。
一大山岳・気候保養所「ベロクリハ(Belokuriha)」
アルタイ山脈にあるラドン温泉は19世紀末に開業して以来、一大山岳・気候保養所「ベロクリハ(Belokuriha)」に成長した。
温泉はたくさんのスープ皿が重なった大きな鉢のようだ。温泉水はこのラビリンスを取って循環し、太陽光で温められながら、ラドンとアルタイ地方の空気イオンを吸収し、温度+28度の温泉水となって表面にあらわれてくる。
ラドンは放射性化学元素であるが、わずかな線量の使用にはむしろ効能がある。血液組成物を正常化させ、抗炎症効果を発揮し、体内の老化を遅らせる。
マツェスタ=ヴィクトル・クリュスキン撮影/タス通信
クラスノダル地方の健康観光は、113周年を迎えたばかりの温泉水治療院「マツェスタ(Matsesta)」を中心に発展した。地元のガイドお気に入りの都市伝説によれば、ソ連の最高指導者レオニード・ブレジネフ(在任期間1964~1982年)はこの治療院に「腕を支えられながら来たが、帰る時にはぴんぴんして一人で歩いて行った」という。
熱傷、化学熱傷をした老若男女、歩行困難な患者、健康に過ごしたい元気な人など、誰もがここを訪れる。硫化水素を成分とする温泉水とともに、近隣のクデプスタ地区の臭素水もここで使われている。
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旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」には、「硫化水素はタイルまでも痛めてしまうほど浸食性が強いから、内装はぼろぼろに見えるけど、治癒コースを終えると最高の気分になれるよ」と書かれている。
マツェスタの温泉水を持参した入れ物に入れることはできるが、硫化水素の臭いが強く、また効能も1日しかもたない。
キスロヴォツク=Lori/Legion-Media
ロシアの古典的な温泉休暇といえば、カフカス地方の黒海とカスピ海に挟まれた山の谷間に位置する鉱泉療養院の三角地帯だ。
ロシアのボヘミアンや知識人に人気の高い温泉休暇は、鉱水「ナルザン」、山の空気、スパ公園の散策をセットとして、キスロヴォツクで19世紀に誕生した。ロシアの詩人のアレクサンドル・プーシキン、ミハイル・レールモントフ、作家のレフ・トルストイは、モスクワの医師のアドバイスを受けて、治療とインスピレーション探しにキスロヴォツクに来ていた。
鉱泉「ナルザン」=写真提供:Lori/Legion-Media
ピャチゴルスクおよびエッセントゥキの特別な鉱泉ポンプ室では、胃、肝臓の飲料治療、代謝の飲料回復のために、炭酸・硫化水素、炭酸、塩アルカリ水を放出している。
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