Shutterstock/Legion Media撮影
コロムナのパスチラーは、酸味の強い品種のリンゴ、蜂蜜と糖蜜(卵白)を使った、ロシアの古典的な焼き菓子。収穫したリンゴを保存する、中世の缶詰のようなものだ。リンゴをペチカで蒸し煮し、練り、板の上に敷き広げ、日光の下で乾燥させていた。薄い板状のスイーツはその後、束にしてまとめ、次の収穫まで食べていた。昔ながらのパスチラーは、モスクワの南東96キロメートルに位置するコロムナの「消滅味博物館」で試食したり、購入したりすることができる。
ロシア通信撮影
トゥーラのプリャーニクは、ロシアでもっともおしゃれなプリャーニク(スパイス入り糖蜜焼き菓子)であり、海外でも知られている。モスクワの南183キロメートルに位置するトゥーラでは、中に詰め物を入れ、外に文字や模様を入れた長方形のプリャーニクが17世紀に考案されていた。
ユリイ・スミチュック撮影/ロシア通信
かつて「ナマコ湾」として有名だったウラジオストクは、ロシア唯一のナマコの漁場。日本料理、朝鮮料理、中国料理の珍味として16世紀から存在していた。ロシアでは茹でナマコをサラダの具材として使ったり、乾燥させて食べたり、浸酒にしたりする。
Lori/Legion Media撮影
オムリとムクスンはどちらもサケ科の魚で、ロシアでもっとも有名なシベリア魚である。漁期の違いや、オムリはムクスンよりも小さいといった違いもあるが、どちらも寒冷域特有の脂ののった、やわらかく、甘みのある身が特徴となっている。シベリアで食べる釣りたてのうす塩のムクスンは絶品だ。オムリはバイカル湖のほとりでそのまま食す。
ヴァディム・ジャドコ撮影/タス通信
エチポチマク(タタール語で「三角」の意)とは、バシコルトスタン共和国、タタールスタン共和国で広く食べられているピロシキ。ジャガイモ、羊肉、ネギからなる具が詰まった小さなピロシキだ。モスクワの東1165キロメートルに位置するウファ、またはモスクワの東719キロメートルに位置するカザンでは、ハンバーガーの代わりにエチポチマクを食べよう。
ルスラン・シャムコフ撮影/タス通信
サンクトペテルブルクは5月、揚げたニシキュウリウオと新鮮なキュウリの香りでいっぱいになる。地元の人はこれで本格的な春の到来を感じる。ニシキュウリウオはネヴァ川やフィンランド湾に生息する魚で、サンクトペテルブルクの美食のシンボルである。シーズン中にとれる新鮮な魚が最高においしい。
写真提供:Photoimedia
カスピ海に面するダゲスタン共和国の羊肉は質が良く、羊肉特有のくさみがほとんどない。ダゲスタンの羊肉を使ったシュルパ(スープ)とシャシリク(串焼き肉)は、数百年前から地元の遊牧民が食べていたグルメ。男性のシェフだけが料理する。モスクワで売られている新鮮な羊肉はすべて、ダゲスタンから仕入れられている。
Lori/Legion Media撮影
ロシア北部の永久凍土の条件下で何を食すか。地元ならではのごちそうストロガニナは欠かせない。これは薄く削った冷凍魚で、塩とコショウにつけてそのまま食べる。材料となるのはフチル、オムリ、ネリマ、チョウザメ、ムクスン、ゴレツ、タイメニ、ペリャジ、リャプシカなどの地元の魚ほぼすべて。サハ共和国でこの料理を食べることができる。ここは国内最大のダイヤモンド採掘地である。
Shutterstock/Legion Media撮影
アルタイ山脈の近郊にはロシア最大の蕎麦畑が広がる。ミツバチは蕎麦が大好き。アルタイの蕎麦ハチミツは、独特な後味のある濃琥珀色のなめらかなハチミツだ。
Lori/Legion Media撮影
チャク・チャークとは蜂蜜揚げ菓子。タタール人、バシキル人、キルギス人、ウズベク人、カザフ人などに一般的なスイーツだ。材料は小麦粉、卵、蜂蜜とシンプル。練った生地を細い棒状にして細かくカットし、油で揚げ、熱したハチミツをかける。三角錐の大きくて甘いかたまりを手で食べる。チャク・チャークが考案されたのは約1000年前。ステップの遊牧民に愛された。
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