風変りなロシアの博物館TOP9

サンクトペテルブルクの「エルミタージュ美術館」や、モスクワの「トレチャコフ美術館」はよく知られている。だが珍しく、独特で、サイケデリックなところに魅かれるなら、おすすめの場所がある。辺境の地にあるロシアの農家のイズバ(ログハウス)を見たい、1970年代のソ連のゲームで遊んでみたい、古代ルーシの魔法の世界に触れてみたい、怖い見世物でドキドキしてみたい、フロイトの夢の中に入ってみたい...そんな願いがかなう博物館をロシアNOWが9ヶ所特集する。

1. ロシア民族神話・迷信博物館

ウグリチ。 詳細はこちらで

 ここではロシアの民族的儀式や祝いの世界を見ることができ、古代の神、信仰、シャーマン、古代スラヴの魔法使い、スラヴの密教の教え、おとぎ話やブイリーナ(口承英雄叙事詩)、呪文、お守り、治癒の道具や方法、また人気が高く、めずらしい占いなどについて学ぶことができる。民族学的調査で持ち帰られた伝説、本、記録などにもとづいて、ロウ人形や「悪霊」のカカシがつくられている。 

2. オスタップ・ベンデル風刺・ユーモア博物館

コジモデミヤンスク。 詳細はこちらで

 ソ連のおかしな長編小説「十二の椅子」(イリフ、ペトロフ原作)には、ヴァシュキを舞台とした章がある。ここで「偉大なチェスの名人」(実際は巧みな詐欺師)オスタップ・ベンデルとの160盤同時チェスが行われ、惑星間チェス大会の実施が計画された。架空の街ヴァシュキがコジモデミヤンスクになって、古き商人のクラシカルな家に博物館が収まった。2ヶ所のホールでは有名なチェス大会の道具、ヴァシュキ食堂の昼食、理髪店に行った後のオスタップとキサの新しい髪型などを見ることができる。 

3. 罪博物館

タンボフ。 

 病理学者ユーリ・シチュキンは30年に渡り、気味の悪いものを集めた。ホルマリン漬けの人間の四肢、器官、胎児などの入った容器700個がある。博物館はクンストカメラやホラー映画のようだ。2段の脳、5つ目、目の代わりに耳を持つ子どもなど。特別なコレクションはショッキングであり、博物館から出ると、飲食や喫煙をする気がなくなるし、性欲も消える。 

4. リダおばあちゃんの家庭博物館

アルハンゲリスク州。 詳細はこちらで

 ストロエフスコエ村のリダおばあちゃんは、伝統的な生活用品や農家の服を自宅のイズバに集めている。自らガイドを務め、小さな石臼で穀物をひいたり、粥を煮たりする教室も開いている。訪問者は昔の民族衣装を着たり、バラライカに合わせて民謡をうたったり、サモワールから入れた紅茶と手づくりピロク(パイ)を飲食したりすることができる。 


5. 爬虫類博物館

トヴェリ州。

 博物館のある村は現在、プリヴォルシュスキー村と呼ばれているが、以前はガドヴォ村(ガドとは旧語でヘビを意味する)だった。その名の通り、昔はここにヘビがたくさんいた。伝説によれば、ここにはズメエヴォ海という、古代民話「ズメイ・ゴルイニチ」の三つ首竜の発祥地があったと言われている。博物館には鉄製、石製、布製、木製のヘビが展示されている。「青ヘビ」アルコールは印象的だ。ガドヴォ村にはかつてアルコール工場もあった。 

6. ソ連ゲーム機博物館

モスクワ、サンクトペテルブルク、カザン。 詳細はこちらで

 ここはタイムマシンのような博物館。1970年代にもっとも愛されたソ連製ゲーム機が60台以上展示されている。ほぼすべてが使用可能。もっとも有名で人気の高いゲーム機は、「マギストラリ」、「アフトラリー」、「モルスコイ・ボイ」、「ゴロトキ」。 

7. ジークムント・フロイト夢博物館 

サンクトペテルブルク。 詳細はこちらで

 ジークムント・フロイトは、夢が休眠する脳の支離滅裂な現象ではなく、世界と自分自身に関する情報の宝庫に導いてくれる「無意識への王道」であることを証明した。サンクトペテルブルク市内の古い19世紀の建物には、精神分析研究所とこの理論の父フロイトの博物館が入っている。博物館の中はインスタレーションである。たくさんの鏡や影が、訪問者を夢の空間に導く。  

8. 世界弔文化博物館

ノボシビルスク。 詳細はこちらで

 「世界弔文化博物館」には、霊柩車、故人の髪の毛からつくられた記念アクセサリー、特別な写真ジャンル「ポストモーテム」の写真、ビクトリア朝時代のデザイナーズ喪服のコレクション、デスマスク、像、記念碑などが展示されている。棺のコレクションも豊富だ。そのうちの一つ、魚の形をした棺の創作には、アフリカから棺桶屋のエリック・アジェテイ氏が招かれた。 

9. 「トゥーラのサモワール」博物館

トゥーラ。 詳細はこちらで

 美しく丸みを帯びた湯沸器「サモワール」はロシア文化固有のシンボル。トゥーラ製がいつでも最高のサモワールであった。ロシアの有名な作家アントン・チェーホフは、妻を連れてパリに行くのは、自分のサモワールを持ってトゥーラに行くようなものだと言っていた。「トゥーラのサモワール」博物館は、歴史的なアレクサンドル2世記念館にある。70リットルの大きなサモワールから、数滴分ほどの小さなサモワールまで、さまざまな展示品が置いてある。

もっと読む:サモワールの使い方のコツ >>>

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