エキサイティングなコラ半島

キロフスク市から20キロメートル走ると、観光基地「クエリポッル」があるが、ここへ行くまでが一種の旅になる=Lori/Legion Media撮影

キロフスク市から20キロメートル走ると、観光基地「クエリポッル」があるが、ここへ行くまでが一種の旅になる=Lori/Legion Media撮影

北極圏のコラ半島にある雄大なヒビヌィ山脈。この山地周辺には、採鉱場、廃墟となった工場、使われていない鉄道がある。映画「ディアトロフ・インシデント」を製作したレニー・ハーリン監督が、こういった産業施設からすごいとしか言いようのない結末にたどりついたのもよくわかる。

 映画に出てくる秘密の地下壕のような場所は、荒涼とした山の斜面でしか見ることができない。ユクスポル山の中腹では、錆びが流れ、横梁のついた不思議な 桁が突きでている。これが一体何なのかは、神のみぞ知るだ。ポツンとそびえたっている正教の十字架と交互になっている。自分の足の下には軍事基地があるとか、秘密の実験所があるとか想像すると、鳥肌が立つ。

 

観光名所と娯楽


大きな地図で見る

 キロフスク市では2月中旬、コラ半島の重要なイベントのひとつ、見本市「石の花(Kamennyi Tsvetok)」が行われる。300円も払えば、ここでしかお目にかかれない小さな鉱石を入手することが可能。北方民族の誇りである手芸品も販売されている。手芸品は主に、トナカイの毛皮、ツノ、羊毛からつくられたもので、美しい装飾がほどこされている。

 北極圏には、カザンの生神女聖堂の名を受けた最北の女子正教修道院(Hibinogorskii Jenskii Monastyr' V Chest' Kazanskoi Ikony Bojiei Materi)がある他、北部の街を緑化するための植物が栽培されている、ロシア最北の「北極・高山植物園・研究所(Polyarno- Al'piiskii Botanichesukii Sad-Institut)」もある。見学は6~9月のみ可能。冬に閉鎖される植物園域は、雪や氷の建築物をつくるプラットフォームにもなっている。

 実業 家のウラジーミル・コミャギン氏はすでに5年も、氷点下になる季節を見計らって北極圏の「雪村(Snejnaya Derevnya)」をつくるために創作の専門家チームを集め、新たなデザインの雪の丸屋根、アーチ、内部の家具をつくっている。最近は、正式な結婚登録 のできる、氷の結婚式場を建設した。

 キロフスク市は、工場の廃墟が好きな人にはたまらない場所だ。20年前にはアパチトゥイ市との間で電車が発着していた鉄道駅は、かつて世界で知られていた燐灰・霞石工場の工業区に位置しており、終焉を間近に控えている。今はディーゼル機関車数本が走り、数少ない職員が粗末な車内で働いているだけだ。

 キロフスク市から20キロメートル走ると、観光基地「クエリポッル(Kuel'porr)」があるが、ここへ行くまでが一種の旅になる。道なき道を30 分もタクシー代わりのスノーモービルで走らなければならない。クエリポッルでは好きなだけスノーモービルで走れる。1時間1500ルーブル(約4500 円)で、カーブを切りながら、最高速度で走ることを許される。だがスノーモービル観光で、ヒビヌィ山脈のクキスヴムスカヤ谷を通過しながら、ペトレリウス川に沿って走るほうがもっと楽しい。

 

北方グルメ

 北方民族の料理と言えば、トナカイの肉、生魚、焼いたコクチマス、ヘラジカ肉のピロシキ、ホロムイイチゴ、コケモモのモルス(清涼飲料水)などだ。

 キロフスク市でもっとも人気の高い飲食・娯楽施設は、レストラン、ボーリング、またサンクトペテルブルクやモスクワのDJがいるディスコのある「ボリショイ・ヴドヤヴル(Bol'shoi Vud'yavr)」。

 スキー・リゾート「キキスヴムチョッル(Kikisvumchorr)」には、カフェ「スグロプ(Sugrob)」がある。訪れた人々は夜になるとエクストリーム動画を見たり、コースについての印象を語り合ったりしている。この近くにはロシア最北のユースホステル「ベッド・アンド・スノー・ホステル・ヒビヌィ(Bed&Snow Hostel Hibiny)」もある。

 

行き方と宿泊施設

 キロフスク市までは常にではないが、飛行機で行くことも可能。空港はキロフスク市から14キロメートルのアパチトゥイ市にある。最近、飛行機は非定期的にしか運航されていない。そのためムルマンスク市まで飛行機で行き、そこからキロフスク市までの210キロメートルを、乗り合いバスまたはタクシーで走 る。

 ・ホテル「セヴェルナヤ(Severnaya)」は、スキー場「ビッグウッド(BigWood)」から1キロメートル。周辺にはボーリング、カラオケ、ディスコ、レストラン、バーのある複合施設がある。

+7 (921)03 36-660 

 ・アパチトゥイ市のユースホステル「シェリ(Sheri)」
+7(911)060-75-60  

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる