乗り物別の72時間ビザなし滞在

ウラジーミル・ペスニャ撮影/ロシア通信

ウラジーミル・ペスニャ撮影/ロシア通信

列車で旅をする外国人旅行者に対して、ロシアへのビザなし入国を許可する法案が、近いうちに可決される可能性がある。ビザなしで滞在できる期間は3日。このような法案がロシアに及ぼすのは好影響ばかりと、専門家は考える。

自由な72時間

 旅行を目的として、列車でロシアに入国する外国人が、72時間のビザなし滞在を許可される可能性がある。運輸省が、経済開発貿易省、地域開発省、外務省、連邦移民局、観光局と協力し、この法案を作成した。

 法案の趣旨説明には、クルーザーとフェリーの外国人乗客に72時間以内のビザなし滞在を許可したところ、外国人旅行者数が増加したため、と記されている。そのため昨年末には、ヨットの乗客も対象とする計画が持ち上がった。

 「観光局は常に、ビザ要件の緩和を支持してきた。これが入国・国内観光の発展に直接的に寄与し、ロシア経済に収入をもたらすため」と観光局のイリーナ・シチェゴリコワ広報担当は話した。列車の外国人乗客に対する入国要件の緩和は、ロシアの観光地を発展させる。

 これ以外にも、ロシアの主要な空港で乗り継ぎ(トランジット)をする外国人旅行者が、72時間ビザなしで滞在することを許可する法案も、下院(国家会議)の第1読会を通過している。この法案には制限があるため、誰もが利用できるわけではない。72時間のビザなし入国を許可されるのは、ヨーロッパ諸国(特にドイツ、イタリア、スペイン、フランス、フィンランド、ベルギー、ポーランド、スウェーデン)、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本、中国、韓国、シンガポールの国民。空港はモスクワの3空港(ドモジェドヴォ、シェレメチエヴォ、ヴヌコヴォ)、サンクトペテルブルクのプルコヴォ、カザンのカザン、エカテリンブルクのコリツォヴォ、ソチのアドレル・ソチ、ハバロフスクの新ハバロフスク、ノボシビルスクのトルマチョヴォ、ウラジオストクのクネヴィチ、カリーニングラードのフラブロヴォの計11空港。さらに、ロシアの航空会社の利用者であること。これはロシアの航空会社を支援するためとしている。

 

全体的な効果

 列車の外国人乗客の入国に関する制限は、まだ決定していない。「より効果的にロシアの観光を発展させるために、72時間のビザなし入国の対象を外国人旅行者だけでなく、自国への復路のチケットを持っているすべての市民に広げてもいい」と観光局のアレクサンドル・ラジコフ局長は説明している。専門家によると、この措置でビザの手続き書類が減り、領事館の行列が短くなるという。他の効果にあげられるのが税収増だ。「ロシアの国土の広さ、国境線、国内の航路、鉄道の距離を考えると、ビザの規制によって多額の資金を失っている。この法案が成立すれば、ロシア経由で移動する旅行者の数を拡大できる」と下院運輸委員会のアレクサンドル・スタロヴォイトフ副委員長は話す。

 

*参照記事ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)コメルサントフォンタンカ・ル

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