アルバート通り520周年記念

アルバート通りは19世紀から、モスクワの文化の中心というだけでなく、モスクワのインテリのたまり場だった。=アレクサンドル・ポリャコーフ撮影/ロシア通信

アルバート通りは19世紀から、モスクワの文化の中心というだけでなく、モスクワのインテリのたまり場だった。=アレクサンドル・ポリャコーフ撮影/ロシア通信

アルバート通りはモスクワ市内最古の歩行者天国だ。10月1日から6日まで行われる520周年記念行事に向けて、改修工事が現在行われている。

 アルバート通りの一部は、何世紀にも渡って首都のインテリを魅了してきた、歴史的な景観を失っている。大量の広告、看板、夏のカフェの並びによって、建物の正面や記念プレートを見て楽しむことが難しい。

 

行き方:

旧アルバート通りは、モスクワ市中央行政管区の通り(「アルバート」地区)。アルバート門の広場からスモレンスク広場まで続く。地下鉄「アルバート(Arbatskaya)」駅、「スモレンスク(Smolenskaya)」駅

10億円かけて整備 

 モスクワ市政府は祝賀のために、広告を除去し、舗装を入れ替え、建物の外観を改修し、アルバート通りを美しくすると約束した。工事の総額は1000万ド ル(約10億円)以上で、その多くが舗装板の交換とこの領域の整備に使われるという。有名なアルバート通りの照明はそのまま残される。アルバート通りと言えばミュージシャンや芸術家だが、今後は特別に区切られた場所でライセンスの保持者のみが活動できるようになる。

 アルバート通りは何度か「生まれ変わっている」。1736年に発生した火災では、当時の建物のほぼすべてを焼き尽くした。その後貴族、商人、役人の豪華な邸宅がアルバート通りを飾りたて、モスクワでもっとも高級かつ高額な場所へと変貌させた。そしてそのステータスは今でも変わらない。だが建物の多くは現 在まで残っておらず、例えばアルバート通りとセレブリャヌイ通りの角にあった生神女庇護の大主教奇蹟者聖ニコライ教会は、1846年に撤去されている。

 

モスクワのインテリのたまり場 

 アルバート通りは19世紀から、モスクワの文化の中心というだけでなく、モスクワのインテリのたまり場だった。そのため歩行者天国のわきには、博物館、記念建造物、またエヴゲニー・ヴァフタンゴフ国立アカデミー劇場、A.チェーホフ劇場などの劇場がある。

 プーシキン、レールモントフ、エセーニン、ツヴェタエワなどを見つめてきた、モスクワでもっとも歴史の長いアルバート通りは、歌、詩、映画などのテーマ になってきた。ソ連の詩人で作曲家であるブラート・オクジャワは、後にモスクワっ子の誰もが愛することになる、アルバート通りの歌を書いた。あれからもう 40年が経過した・・・「ああ、アルバート、私のアルバートよ。お前は私の起源・・・お前は私の使命」。

 今日のアルバート通りとは、古きモスクワの創作魂を垣間見ることのできる場所だ。ストリート・ミュージシャンの音楽を聴き、他にはないおみやげを買い、アルバート門からスモレンスク広場までゆっくりと歩くことができる。

 

見学:

「プラハ(Praga)」レストラン、旧アルバート通り2/12/1 Ul. Staryi Arbat


「プラハ」レストラン、1968年=ユリイ・アルタモーノフ撮影/ロシア通信

・付属製菓店:「プラハ」ケーキ(732ルーブル~≒2196円~)、「鳥のミルク」ケーキ(756ルーブル~≒2268円~)、ミニケーキ(25ルーブル~≒75円~)。レストラン自体は一時閉鎖中

 プラハは1902年創業のモスクワ最古のレストランで、この製菓店は是非立ち寄っておきたい店。レストランにはホール6室、ビュッフェ、個室18室、ビ リヤード室数室がある。プラハの顧客には、L.トルストイ、I.ブーニン、A.クプリンといった当時の芸術家、音楽家、作家などがいた。

 プラハには名物がある。ソ連時代には「プラハ」ケーキや、伝説的なこの店のオリジナル「鳥のミルク」ケーキを求めて、夜中に長い行列ができていた。「鳥のミルク」の類似品は世界にない。

 

 A.S.プーシキン記念アパート、旧アルバート通り53/153/1 Ul. Staryi Arbatwww.pushkinmuseum.ru

・ロシア文学史に触れる

・「魅惑的なロシアのロマンスは消えない」コンサートは9月24日に開催

・入場券は120~3000ルーブル≒360~9000円(案内つき)

 アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキンが1831年2月18日、結婚式を終えて新妻のナタリヤ・ニコラエヴナを連れてきたのが、アルバート通りで もっとも古い建物のひとつ(18世紀)であるこの家。「私は既婚者で幸せ」とプーシキンは書いている。「私の願いはひとつ。私の生活が何も変わらないこ と。これ以上の幸せはあり得ない。こんな状態は経験したことがなく、生まれ変わったような気がする」。このプーシキン博物館は1986年に開館した。

 

 エヴゲニー・ヴァフタンゴフ国立アカデミー劇場、旧アルバート通り26/226/2 Ul. Staryi Arbatwww.vakhtangov.ru


アレクサンドル・ポリャコーフ撮影/ロシア通信

・演劇はロシア語のみ 

・入場券はparter.ruのウェブサイト、劇場の窓口(150~6500ルーブル≒450~1万9500円)、劇場のウェブサイトで購入できる

 アルバート通りの真ん中に立つ円柱のある大きな建物には、思わず目がいってしまう。これがヴァフタンゴフ劇場だ。劇場は1921年に開業し、1926年 にエヴゲニー・ヴァフタンゴフ芸術監督の名を受けた。俳優や監督の才能、クラシック(アンナ・カレーニナ、エヴゲーニイ・オネーギン)から実験演劇までの 幅広い演目などで、何世代ものモスクワっ子に愛されている。劇場の関連施設として、ヴァフタンゴフ・アパート博物館(12 Per. Denejnyi)もオープン。

 劇場の90周年記念演劇「波止場」で9月5日に開幕する、新たな93シーズン目に向けて現在準備中。

 

ユリイ・アルタモーノフ撮影/ロシア通信

 「トゥーランドット姫」噴水、旧アルバート通り2626 Ul. Staryi Arbat

・モスクワの歴史的中心地でロマンティックな気分に 

 劇場近くにある、1922年のヴァフタンゴフ最後の演劇を記念してつくられた、「トゥーランドット姫」噴水(1997年)も必ず見ておきたい。モスクワ市850周年に向けて、市政府の援助を受けて設置。

 噴水は夜になると光を放ち、アルバート通りを歩くカップルをロマンティックに包み込む。

 

 

 

飲食店:

・「ハード・ロック・カフェ(Hard Rock Cafe)」、旧アルバート通り44(44 Ul. Old Arbat)www.hardrockcafe.ru/

§  料理:アメリカ、メキシコ

§  平均利用額:500~1000ルーブル(約1500~3000円)

 

・「ドゥーリン・ハウス(Doolin House)」アイリッシュ・パブ、旧アルバート通り20(20 Ul. Staryi Arbat)

§  料理:ヨーロッパ

§  平均利用額:1000~1500ルーブル(約3000~4500円)

 

・「ブラジリエロ(Braziliero)」レストラン、旧アルバート通り10(10 Ul. Staryi Arbat)

§  料理:ラテンアメリカ、ヨーロッパ

§  平均利用額:2500ルーブル(約7500円)~

 

・「サン・マルコ(San Marco)」レストラン、旧アルバート通り25(25 Ul. Staryi Arbat)

§  料理:イタリア

§  平均利用額:1500~2500ルーブル(約4500~7500円)

 

・「ボスフォル(Bosfor)」レストラン、旧アルバート通り47/23(47/23 Ul. Staryi Arbat)

§  料理:ヨーロッパ、トルコ

§  平均利用額:1000~1500ルーブル(約3000~4500円)

 

・「ドーム・アクチョラ(Dom Aktera)」レストラン、旧アルバート通り35(35 Ul. Staryi Arbat)

§  料理:ヨーロッパ、コーカサス、ロシア

§  平均利用額:500~1000ルーブル(約1500~3000円)