タイのリゾートがロシア人旅行者の揺るぎない人気スポットになっている。=タス通信撮影
ロシア人の財布の紐はゆるみっぱなし
ただでさえ客好きなタイの人々は、ロシア人旅行客の関心の高まりをさらに歓迎している。それもそのはず、休暇中ともなると、ロシア人の財布の紐はゆるみっぱなしになるのだ。
タイ観光スポーツ省の統計によると、ロシア人は昨年、どこの国の旅行者よりも多い277億5000万バーツ(約832億5000万円)を落した。これは限度額ではない。今年上半期のロシア人旅行者の数は35%増加したため、今年は昨年をこえると見込まれている。
ただ、困った問題もあるのは事実だ。ロシア人旅行客のふるまいや習慣には、さすがに慣れることができないでいる。「ロシアの人はいつもお金を持ち歩き、 現金払いしてくれるのだけど、プールのわきで必ずお酒を飲んで、酔っぱらうと瓶をそのままプールの水の中に投げ捨ててしまう」と、パタヤのホテルの関係者。
のん兵衛に対する反発も
傍若無人なロシア人旅行者に対する不満は、今年1月にピークに達した。プーケット島の住民数百人が、反ロシア人デモを行ったのだ。
とはいえこちらは旅行者だけの問題ではない。というのも、プーケット島には観光業に従事している、旧ソ連諸国の出身者が大勢生活しているのだ。ロシアから休暇に来る人々は、母国語が通じる便利なロシア系カフェやタクシーを利用するようになっている。
デモの参加者はこう話した。「ロシア人旅行客は我々の方には見向きもしない。ロシア系業者のサービスに皆流れてしまう。ロシア系業者は、我々が無教養で、旅行者から金をだましとっている、などという悪評を流している」。
不況の影響
だがデモはすぐに収まった。そのようなロシア人に不満を訴えて、国の重要な資金源となる潜在的旅行者を失ってはいけないという考えからだ。さらにここ最 近は、ヨーロッパでタイ旅行の需要が急激に落ちている。ヨーロッパからの冬シーズンの旅行予約は50%減だった。ヨーロッパは長期不況に陥っているため、 地元の旅行が好まれている。
このヨーロッパの需要の落ち込みは、タイの5つ星ホテルを直撃した。ロシアからの旅行者がいなければ、ビーチの豪華なバンガローも空室だらけだったに違いない。
ロシア語とケチャップ
タイの人々も、難しいロシアのお客さんに慣れようと努力を始め、積極的にロシア語を勉強している。今やプーケット島やパタヤの有名なリゾートならどこでも、ロシア語の表示を見つけることができるし、ロシア語を話すタイの住人も増えた。
ところで、タイの人々がもっとも苦慮している旅行者はアメリカ人だそうだ。アメリカ人は大声でうるさく、何にも興味を示さない。おまけにアメリカのレストランのように、あらゆる料理にケチャップを要求するという。
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