ボルガ河畔のサマーラで週末を

サマーラは「ロシアのビールの首都」と思われる。=イゴリ・ステパーノフ撮影

サマーラは「ロシアのビールの首都」と思われる。=イゴリ・ステパーノフ撮影

モスクワからサマーラまでの1,000キロの道のりを克服する旅行者には、2種類いる。第一に、チームのアウェー試合に追随するサッカーファンたち。第二に、毎年恒例の通称「ウッドストック」フェスティバル、すなわち「グルーシン・フェスティバル」と「ロック・ナド・ヴォルゴイ」に参加するロック音楽のファンたちだ。彼らは、筆者のガイド役を買って出て、サマーラのもう一つの側面を見せてくれた。

 モスクワからサマーラまでの1,000キロの道のりを克服する旅行者には、2種類いる。第一に、チームのアウェー試合に追随するサッカーファンたち。第二に、毎年恒例の通称「ウッドストック」フェスティバル、すなわち「グルーシン・フェスティバル」と「ロック・ナド・ヴォルゴイ」に参加するロック音楽のファンたちだ。彼らは、筆者のガイド役を買って出て、サマーラのもう一つの側面を見せてくれた。

 

 土曜日

 午前11ヴォルガ川の眺め

 サマーラは、ヴォルガ川沿いに位置している。ロシア中央部の住民たちにとっては、これが同国の主要な河川だ。ヴォルガ河畔は5キロ以上にわたって続いているので、2時間かけてゆっくりと散歩できる。その途中、数多くある地元のカフェでコーヒーを一杯(190円程度)楽しむことができる。

 

サマーラまでの交通手段

 鉄道

 サマーラまでの列車は、モスクワのカザン駅から出ている。最良のオプションは「ジグリ・エクスプレス」の特急列車だ。空調がきいた客車と優れたサービスを14時間の旅で楽しむことができる。各駅停車の電車なら17時間かかる。切符は片道6,400円程度。

 

 飛行機

 飛行時間は1時間半。搭乗券は9,000〜13,000円程度。

 午後3時 - ボルシェビキ・ビール

 地下のサマーラから地上に出てくると、おそらく空腹を感じるはずだ。ここでは、サマーラ市の象徴のひとつであるビール醸造所の名前がすぐに頭に浮かんでくるだろう。ソビエト時代には、この醸造所で国内で最もポピュラーなビール、「ジグリョフスコエ」を醸造していた。ソ連の各地に何十もある醸造所でこのビールが生産されていたが、サマーラの地元住民は、依然としてこの地元のものが本物であると確信している。

 この建物群の中でも最も古いものの一つに入居している醸造所のレストラン(ヴォルスキー・プロスペクト第4番地に所在)では、ソビエト時代のビール製造の誇りを味わうことができる。

 ソビエトらしくない独特の外見を呈した外の看板には「ウ・ヴァカノ(У Вакано)」とロシア語で書かれている。(http://www.samarabeer.ru/hist/8/) レストランのウェイターが、これは醸造所の創業者であるオーストリア人のアルフレート・フォン・ヴァカノにちなんでつけられたものであることをすぐに教えてくれるだろう。彼は、ビール醸造技術をサマーラに初めてもたらした人物だ。

 豚足のローストを注文すれば、ビール1リットルを無料にしてくれる。価格帯は約1,900〜5,700円だ。

 

 

 午後5「ザ・ローワー・デプス」

 とにかく試してみるだけでも、地元の雰囲気に満ちたこのレストラン「ザ・ローワー・デプス」に足を運ぶ価値がある(所在地は同じくヴォルスキー・プロスペクト第4番地)。

 地元のサッカークラブである「クリリヤ・ソヴェトフ(ソビエトの翼)」の試合がある日は、ロシアの他の都市からやって来る観客は、スタジアム「メタルルグ・スタディオン」に向かって出発する前に、たいていはこのすてきな食堂にまず集う。 

 ビールの供給は、上階にある醸造所からパイプで直接地下のバーに繋がっているため、新鮮さと在庫のどちらに関しても、心配は無用。ビールは半リットルで190円ほどだ。 

 カスピ海ローチ、タチウオ、チョウザメ、アゾフ海ローチ、淡水の白身魚、ブリーム、ラッド、カワカマスなど、地元で水揚げされたあらゆる種類の魚が、あらゆる調理法でビールと一緒に供される。しかし本命はソビエト時代の名物であるザリガニだ。

 

 午後7メタルルグ・スタディオン

 「ロシアのビールの首都」の雰囲気をこれほど実感できる場所は、メタルルグ・スタディオン以外にないだろう。サマーラのホームファンの群衆に巻き込まれて、彼らが「ウィング」と呼ぶこのチームの応援にスタジアムまで連れて行かれても、驚くことはない。スタジアムの所在地はストロイテリ通り1番地。いい場所のチケットでも1,900円を超えることはない。

 


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 日曜日

 午前11市の郊外へ!

 サマーラ地方が誇りとしているのはジグリ国立自然公園で、これはサマーラのヴォルガ川の屈曲地点にある。この自然公園の大部分を占めるのがジグリ丘で、海抜375メートルの高さから下界を展望することができる。自然公園の中には「ウォーター区域」なるものもあり、10ある島を眺めることもできる。大抵の周遊プログラムの所要時間は3〜4時間で、費用は13,000円ほどだ。 

 

 午後4軍の面影

 ソビエト時代には、サマーラは航空産業の中心地として、航空機用エンジンからその他の機械に至るまでの開発を行っていた。見学の出発点としては宇宙技術博物館が最適だ(レーニン通り21番地)。

 主な見どころは、ソビエト時代の伝説的な有人宇宙船「ソユーズ」だ。しかも、縮尺模型ではなく、実物のロケットだ。展示センターの全体が、ロケット発射台の中にあるという、一風変わった設計になっている。博物館への入場料は640円ほど。

 

 お土産

 ロシアのビールの“首都”として名高いので、市内の各所にあるお土産屋の売店ではビール用マグが販売されている。その他の典型的なお土産品としては、シーダー材でサマーラのシンボルを形作った彫刻品などがある。ジグリ・ワークショップでは、笛、手作りの人形、シズラニ風の模様が絵の具で施された木製土産品などが作られている。

 

 価格 

 木製の箱(飾りが貼り付けられている) – 260円

 テラコッタのお皿、シズラニの粘土で作った市章 – 190円から

 絵の具で装飾された木製皿 – 1,500円から

 サマーラの中庭とジグリの眺めを映した複製写真 – 510円から

 サマーラまたはサマーラ地方の卓上旗 – 380円から

 サマーラやサマーラ地方についてのお土産用書籍 – 1,000円から

 ロシアのマトリョーシカ人形 – 130円から

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