ワンバー「ガブロシュ」の内装、Pressphoto撮影
モスクワのワインバー文化は歴史がまだ浅い。それでもワインバーがくつろぎと語り合いの場であるという考え方が定着しつつある。モスクワへの来訪者がワインを楽しむなら、こちらの店がお薦めである。
「ガブロシュ」
金曜日の晩になると、「ガブロシュ」はリラックスした雰囲気の中で週末を迎えようと集うミドルクラスの客でにぎわう。
店のデザインは月並みだが、モスクワ中心部にある地下鉄パルク・クリトゥールイ駅のすぐそばという立地条件は申し分ない。普通のワイン愛飲家なら、ここのワインのセレクションは十分に満足できるだろう。
白と赤の25種類のワインがグラスでオーダーできる。ボトルでなら100種類以上が注文できる。ほとんどのワインはフランス産だが、イタリア産のボトルもしっかり存在感を見せている。
「グランド・クル」
「グランド・クル」チェーンのワインバーを選べば、まず損をすることはない。実は同チェーンのほとんどは、時々試飲会を催すワインショップに過ぎない。座ってワインを楽しむことができる「本当の」バーは2店のみである。
そのうちの一つはマーラヤ・ブロンナヤ通りにあり、ブルガーコフの「巨匠とマルガリータ」の舞台にもなったことで知られるパトリアルシェ・プルーディのすぐ隣にある。
このワインバーは「シンプル・ワイン」輸入商の小売部門として営業している。同社は上等ワインとスピリッツを保有している。
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「ビンテージ」
最も価格帯の幅広いワインをお求めなら「ビンテージ」がぴったりだ。中心部にあるのに、バー自体は豪華ではない。その質素なインテリアの訳は、オーナーがデザインではなく、ワインに専念していることを示唆しているかのようだ。
オーナー自身もバーの常連で、店と品物に対する思い入れを表しているようだ。
低価格帯のワインの販売を促すために(最も安いボトルは13㌦)、このバーは当初、グラス単位での購入オプションをメニューから外していたが、現在は復活している。バーはほぼ毎晩満員になっている。
「ボンテンピ」
有名な中央ジャーナリスト会館のすぐ向かいにある「ボンテンピ」は常に活気にあふれている。ワインと外食がもてはやされている今の流行にもよるが、大きな理由は、型にとらわれないデザインが施されたバーのメインエリアであろう。
ワインバーの大半がワインリストを充実させるために食事の選択肢を犠牲にしているのに対して、ボンテンピは例外である。
午後6時を過ぎるとワインに2種類の価格がつく。一つはテーブルでボトルを楽しみたいお客のための価格(より高価)で、もう一つは気に入ったボトルを持ち帰るための価格だ。