週1往復でモスクワー東京便に参入するトランスアエロ航空の旅客機、ロシア通信撮影
旅客数でロシア2番手の航空会社トランスアエロが5月25日、モスクワのドモジェドボ空港と東京の成田空港間で週1回の直行便を就航する。これにより、毎週水曜日午後9時にドモジェドボを出発(成田到着は翌日午前11時半)、木曜日午後1時に成田からの便が出発する(モスクワ到着は同日午後6時)。
今回の定期便就航は両国間の通商関係が発展し、昨年のウラジオストクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の成功によって実現した。
ロシア・日本間の貿易総額は昨年、史上初めて300億㌦を超えたが、これは2009年の145億㌦の倍以上の額である(ロシア経済発展省調べ)。新たな定期便にはボーイング777-200型が就航する。
これに伴い、搭乗客にインペリアル(12席)、ビジネス(14席)、エコノミー(167席)とツーリズム(113席)という4クラスのサービスが提供される。
数字あれこれ
2800万人
モスクワ・ドモジェドボ空港の年間旅客数
10時間
東京→モスクワの飛行時間。逆は9時間半
106路線
トランスアエロ社の国内線と国際線の路線数
98440円
モスクワ→東京便のツーリズムクラス航空券価格
ドミートリー・ストリヤロフ第1副社長は「ビジネス客と日本へ初めて渡航する観光客の需要を見込んでいます。4クラスのサービスを提供するのはそのためです」と語る。
ストリヤロフ第1副社長によると、インペリアル・クラスはぜいたくさと洗練の価値を重視する乗客のためにデザインされた同社独特のサービス。VIPマネジャーが搭乗客の対応を行い、空港でそのクラスのみのラウンジを利用できる。さらに、機内の座席は完全にベッドに変換できる。
東京行きの便では伝統的なロシア料理で知られるモスクワの高級レストラン「カフェ・プーシキン」の食事が堪能できる。
「新たな航空会社が参入してくるというのはうれしいですね」と話すのは、モスクワ国立大学で日本語の講師を務め、日本との間を定期的に行き来している佐藤雄亮氏だ。
「モスクワ・東京路線でより安価なコストと高いサービスの質が実現するのが待ち遠しいです。空港使用料は下がってきていますし、サービスの質も向上し、新たな参入企業も出てきています。さらなる競争が、価格の低下と質の向上につながるでしょう」と期待する。
モスクワから南東42㌔のところにあるドモジェドボ国際空港は旅客数ではロシア最大の空港で、昨年の旅客数は2009年の1870万人を上回る2800万人だった。
ロシア第2の航空会社
ドモジェドボ空港はトランスアエロ社の主要ハブ空港である。
モスクワに三つある主な国際空港のうち、市の中心部から最も遠い空港だが、高速道路、または30分に1本運行されるパベレツキー駅発の高速鉄道により45分でアクセスできる。
ドモジェドボ空港ではグローバルな航空市場のハブとしての地位確立を目指して、現在、ターミナルや滑走路を拡張中だ。
ストリヤロフ・トランスアエロ社第1副社長は「国内の年間旅客数は昨年に15・5%の増加を遂げました。国内の経済状況が良好で、観光が急成長している現在、旅客数を伸ばすことを見込んで東京路線の就航を決めました」と話す。
97機を保有し106の国内線と国際線の路線を網羅するトランスアエロ社はヨーロッパで最も安全な上位6位に数えられているほか、世界60社のうちでも最も安全な上位16の航空会社にも数えられた。
旅客数でロシア2番手の航空会社トランスアエロが5月25日、モスクワのドモジェドボ空港と東京の成田空港間で週1回の直行便を就航する。これにより、毎週水曜日午後9時にドモジェドボを出発(成田到着は翌日午前11時半)、木曜日午後1時に成田からの便が出発する(モスクワ到着は同日午後6時)。