1.「わたしを狂わせたあの娘」 ラシド・ベイブトフ(映画「Ja vstretil devushky(=あの娘に出会った)」(1957)の挿入歌)
ソ連歌謡界の東洋風の歌。タジク・ソヴィエト社会主義共和国の映画のために書かれた曲であるが、この歌は映画よりも人気となった。今でも、さまざまなアーティストがレパートリーに含めている。
2. 「溢れる黄金の光」(映画「It happened in Penikov」(1957)の挿入歌)
妻のいる男性への切ない想いを歌った歌。彼女はなんとかその愛を隠そうとするが、彼は全て気づいてしまう。ソ連のいくつもの映画で使われている悲しい愛の歌。
3 .「中庭で一人でいる女の子」(1962)
とてもロマンティックで、ソ連でとても愛された曲。なんということはないのに、恋すると目が離せない、そんな女の子を歌っている。最初はヨシフ・コブゾンが歌った。
4.「美の女王」 ムスリム・マゴマエフ(1965)
ムスリム・マゴマエフは1960年代から1970年代の歌謡界を代表する歌手の一人で、ソ連中には数百万人のファンがいた。あらゆる男性を惹きつける魅力的な女性を歌ったこの曲は、彼の大ヒット作となった。
5.「わたしを助けて」 アイーダ・ヴェディシェワ(映画「ダイアモンド・アーム」の挿入歌、1968)
運命の美女をテーマにした曲で、彼がいかにして彼女の「情熱の火山」を噴火させたかが謳われている。タンゴ調のメロディとアイーダ・ヴェディシェワのベルベットのような声は、半世紀が経った今も、旧ソ連諸国のすべての人の記憶に刻まれている。
6.「黄金の陽の光」(映画「ブレーメンの音楽隊」の挿入歌、1969)
この吟遊詩人のセレナーデは、グリム童話をモチーフにしたアニメの中で演奏され、ソ連の人々にとても愛された。プリンセスをテーマにしたこの歌は、愛の障害について謳われている(もちろん、すべて克服できる!)
7. 「結婚」 ムスリム・マゴマエフ(1971)
ロシア民謡風のメロディーに「ああ、結婚式、歌ったり踊ったり・・・」という歌詞が付けられたこの曲はソ連時代に書かれたものであるが、聴いていると、ロシアのトロイカに乗り込み、夕陽に向かって走り出したくなる。
8.「もしもし、アリョーナ!」 イーゴリ・イワノフ(1976)
好きになった女の子に電話をかける少年にどれほどの勇気がいるがわかるだろうか?そして、彼はついに意を決して電話をかけるのだが、彼女はもう別の男の子とのデートに出かけた後だった・・・。
9.「庭の花咲くとき」 アンナ・ゲルマン(1977)
アンナ・ゲルマンの歌はたちまちソ連の人々に愛された。「庭の花咲くとき」は、信じていた婚約者に裏切られてしまうという歌。少し悲しい歌だが、感動的な一曲である。
10.「人々は出会う」 バンド「愉快な仲間たち」(1979)
季節は春、皆が恋をしているのに、あなただけが一人ぼっちなんて、ちょっと悲しい。しかし、列車の中で出会った彼女が忘れられず、すべてが変わっていく。1970年代に歌われた曲。
11. 「愛の訪れ」 ローザ・ルィムバエワ(1979)
この世で何があっても、愛はすべての人に訪れるもの。華奢な体から出る深みのある歌唱力が魅力的。
12.「ダンスは上手く踊れない」 ティニス・ミャギ(1981)
彼女をディスコに誘おうと、鏡の前でダンスの練習をする若者を歌った素晴らしい曲。エストニア・ソヴィエト社会主義共和国の歌手、ティニス・ミャギの代表的ヒット曲。
13.「あなたを忘れない」(ロックオペラ「ユノナとアヴォシ」より、1981)
「ユノナとアヴォシ」はもっとも有名なソ連のロックオペラ。19世紀初頭のロシアの航海士とサンフランシスコの要塞司令官の娘の恋を描いたストーリー。
初演は1981年にモスクワのレンコム劇場で行われ、オペラは今も上演されている。もちろん、40年の間に俳優も変わり、内容にも手が加えられているが、その人気は少しも衰えていない。オペラのメインの歌は、「わたしはあなたを見ることはない、わたしはあなたを忘れない」。
14. 「砂に口づけてもいい」 ウラジーミル・マルキン(1987)
この歌は1960年代に発表された歌詞に曲を付けたもの。歌詞の作者については諸説あるが、若手歌手ウラジーミル・マルキンが番組「朝の郵便」で歌い、全国的な人気を博した。
15. 「半分」 ラリサ・ドーリナ(1988)
ラリサ・ドーリナはジャズシンガーとしてキャリアをスタートしたが、歌謡曲を歌って、ソ連の驚異的な人気歌手となった。この「半分」という歌は今でも、ラジオで耳にすることができる。ちなみにドーリナは今もステージに立っている。