初の民間幼稚園がロシアにあらわれたのは19世紀。無料の施設ができたのは20世紀初頭のこと。ソ連では第二次世界大戦後、生後2ヶ月の幼児を保護者が一日預けることのできる保育園が初めて登場した。
今日、国営幼稚園があり、またあらゆる手段で保護者に関心を持ってもらおうとする民間幼稚園がある。おもしろい民間幼稚園を集めた。
Legion Media
保護者はここを「魔法」幼稚園と呼んでいる。遠くからでもわかる。童話のような鮮やかな城で、遊戯領域がとても広い。デザインは、バイエルン王ルートヴィヒ2世が所有していたノイシュバンシュタイン城がもとになっている。ここには、子どもが自分たちで野菜やハーブを植えている「陽気な畑」、園児が風車を観察し、方位を学ぶ風と水の実験所がある。
幼稚園の外観だけでなく、教育システムも独特である。自然でくつろいだ環境の中で授業が行われ、音楽、運動、演劇、発話を組み合わせたオルフ教育を基本にしている。
グローリイ・シソエフ/ロシア通信
これはロシアで最も現代的な幼稚園の一つ。舞台や音楽堂をほうふつとさせる内装で、変換壁(仕切り)により、まるで魔法の杖がふられたかのごとく、遊戯室が食堂に変わり、次に寝室や舞踏場に変わる。 先生によれば、変換壁はとても軽く、丈夫で防音もしっかりしているという。
この幼稚園の特徴は、1ヘクタールの遊技場で、インタラクティブ・ボードやゲーム台が展開されている。ここには試験用ゲーム設備の設置された「児童実験所」がある。一般の児童とともに、体の不自由な児童もこの幼稚園で学んでおり、リフトや点字ブロックなどのあるバリアフリーになっている。
イーゴリ・ザレンボ/ロシア通信
園児たちの出張演劇により、この幼稚園は人気が高い。出演する園児に年齢制限はない。芝居以外にも、絵画、律動学、自然科学を学んでおり、ヨガやテコンドーをしている。この追加的な授業には、近隣から児童が集まってくる。数ヶ月の発話コースに通うと、児童は独自の物語を語れるようになる。園児のお気に入りの遊び場所は、家具や家電のそろった2階建ての家。
写真提供:エルミタージュ幼稚園
この幼稚園では、園児が前世紀の時代にひたることができる。園児は定期的にエルミタージュ美術館の授業に通う。3~5歳の園児は、童話、ゲーム、歌、絵、建築を通じてロシア文化とスラヴ文化に溶け込む。5歳からはヨーロッパ芸術を学び始める。さまざまな文化を学んだ後は、祭が待っている。古代ギリシャの恰好をしたり、19世紀の紳士と淑女になったり、シルタキやマズルカを踊ったりする。幼稚園関係者の話によると、ある舞踏会で、2人の男児が同じ女児を踊りに誘ったという。どちらの男児もその女児のことを気に入っていた。そして1人がこう言ったという。「踊りでゆずってくれないのなら、決闘を申し込む」
写真提供:アンドレイ・アサドフ建築事務所
この幼稚園の建設には、有名な建築事務所が招かれた。これはロシアでは珍しいことである。異なる高さの屋根と窓の複雑なシステムのある船に似た鮮烈な建物を設計したのは、アンドレイ・アサドフ建築事務所。おもちゃの街風の2構成建築および遊技場から窓枠まで、すべてが特別である。窓枠はロシアの異なる地域の装飾枠が集められたもの。外装自体が、郷土学および地理学の教育プロジェクトになっている。
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