ATM、オムスク市=
アレクセイ・マリガフコ撮影/ロシア通信ロシアではガスを使ってATMを爆破させる事件がしばしば発生している。ATMの金属製の筐体の中に可燃性ガス(一般の家庭用)を注入し、事前に装着しておいた導火線に火をつけて、爆発させ、現金の入ったカセットを抜き出して、逃げるのだ。27日に逮捕された一味も、この方法を用いていた。
ガス以外に、即席爆発装置も使われている。2014年から2015年にかけて、モスクワの学校の教師の一人は、硝酸アンモニウムを使った爆弾をつくり、4台のATMを爆破させた。そして逮捕された。
ATMを爆破させるのは危険だ。自分を巻き込む可能性があるし、威力の計算を間違えば、金も消える。
タタールスタン共和国の行政中心地カザンで4月、スキミングを行っていた犯罪一味の裁判が行われた。地元の犯人数人が、200万ルーブル(約335万円)ほどを盗んでいた。裁判所は一味に懲役2年半から4年を言い渡した。
爆発物がなく、スキミングを知らないからといって、ATMを狙わないわけじゃない。鉄ハンマー、バール、重い物といった道具も、敵の金属製の箱を倒す手段になる。
ロシアではいろいろな道具を使ったATM攻撃があるが、アルタイ地方では2010年、こんな事件があった。犯罪者は紙を使ってATMから現金を引き出そうとしたが、うまくいかなかったため、ナイフを使って正面パネルを分解しようとした。そしてこれもうまくいかなかったため、いったん家に戻り、斧を取り出して、機械を壊した。だがATMの中には現金がなかった。犯人はしっかりと有罪判決を受けた。
警察のサイレンが鳴るのを恐れながら、現場で中を開けたり、爆破させたりするよりも、そのまま持っていけばいいじゃないかという発想である。ATMは自転車ではないため、簡単には運び出せない。まずは固定具を壊すか、外すかして、さらに重い機械を車に積載しなければならない。
自己犠牲の精神のあるロシアの犯罪者は、困難に自ら立ち向かう。モスクワで昨年3月、覆面をした犯罪者6人が棒を持って店内に入り、ATMの固定具を外して、キャスター付きの台にのせて、ミニバンに積んで走り去った。かかった時間はわずか1分だった。2012年にはヤロスラヴリ市(モスクワの北東272キロ)で、銀行員を装った犯人が店を訪れ、ATMを交換しに来たと話し、木製のダミーを置いて、本物のATMを車に積んだ。だが最後に警察に捕まった。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。