結婚は生涯関係に非ず?

セルゲイ・ボブィリョフ/タス通信撮影

セルゲイ・ボブィリョフ/タス通信撮影

「全ロシア世論研究センター」はすでに25年、ロシア人の離婚の原因を調査している。最新の調査結果から、離婚により寛容になっていることがわかる。市場経済、景気変動を経験しながら、ロシア人は結婚を実利的にとらえるようになり、また互いを容認する気持ちを失いつつあるようだ。

 全ロシア世論研究センターの調査は、ロシア人の結婚に対する感覚、家族において重視していること、許容できないことを示す。 

 

変わる結婚観

 結婚、男性および女性の役割、子どもについての考え方には、保守主義と互いへの不寛容が入り混じっている。家族とは神聖なものだが、問題が起こると、最初かつ主要な薬となるのが離婚だ。

 家庭が事実上崩壊している場合にのみ、離婚が可能だと考える人の割合は、25年で3分の1以下になっている(1990年に39%だったが、2015年に27%に減った)。離婚を絶対に許容できないとしている人は1990年に13%いたが、2015年には11%に減っている。統計によると、年間120万組が結婚しており、うち2組に1組が離婚している。国連の離婚調査によると、ロシアは世界第1位(ワースト)。だが結婚生活に幻滅しても、それが必ずしも教訓とはならないようだ。再婚する夫婦の50%が再び離婚している。

 「ロシア人は多くの面において伝統主義者であり続けている。女性には何よりも子ども、家、永久的な関係が必要だと考えられている。この点で、ロシアはギリシャ、マルタ、ルーマニア、モンテネグロ、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、すなわちポスト社会主義の国や南欧諸国に近い。同時に、ヨーロッパよりも、シングルマザーや中絶には寛容」と、経済高等学院・大衆意識比較研究所のマルガリータ・ファブリカント氏は話す。

 ロシア人が離婚をあまり恐れなくなったことについて、ファブリカント氏は世界的な傾向だと説明する。結婚する人が減り、離婚する人が増えているのである。代わりに増えているのが事実婚。ロシアでは全家庭の4分の1がこれに該当する。婚姻届を出さずして子どもをつくるカップルも増えている。1970年代から1980年代前半までの非嫡出子の割合は全児童数の11%だったが、2000年代半ばまでに30%に増加している。1990年、ロシア人の3分の1が、一人で子どもをしっかりとしつけるのは不可能だと考えていた。しかしながら、2015年、そう考える人は13%に減っている。

 

フランス婚の増加

 事実婚の人気が高まっている理由はわかりやすい。一緒に暮らし、互いを見てみたいのだ。とはいえ、事実婚の期間は以前より長くなっている。1990年までは結婚すべきかどうかを理解するのに1年かからなかったが、現在は2年以上かかっている。そして、事実婚は永久の結婚を保証しない。社会学者によると、30歳を過ぎて付き合うようになったカップル、59年付き合っているカップルが別れやすいという。また、離婚の80%が妻から切りだされている。家庭と子どもを優先順位の1位としている妻からだ。

 ロシアの事実婚にはさらなる調査の余地がある。今のところ、社会学者は潜在的配偶者の非成熟性について話しているのみだ。自分自身、他人と真剣な関係を構築する能力に自信が持てないのである。

 妥協できない、相手に対する思いやりがない、相手の欠点を受け入れられない、というのが、今日の夫婦関係の別の特徴。多くの夫婦にとって、もっと近づき、理解できるよう努力するよりも、離婚する方が簡単なのである。ここには世界共通の傾向があると、専門家は指摘する。現代社会は個人主義的になっている。この「個人主義」には物質的な原因が多く関係しており、あまり互いを信用しなくなっている。

 モスクワ国立大学社会学部の家族社会学・人口統計学講座のアレクサンドリ・シネリニコフ準教授はこう話す。「おそらく、関係が破綻した場合に、財産、特に家を失うことを、パートナーが恐れている。関係の破綻を防ぐことはできないが、離婚の際に家を失わないようにすることはできる。そもそも婚姻届を出さなければいいのだ。だがそれを相手には言いにくい。ここから、私たちはこんなにも愛し合ってるのだから、結婚式なんかに無駄遣いしたりして、わざわざ面倒を背負う必要なんてない、というありがちな言い訳が始まる。この言葉の裏には、関係維持への根本的な不安がある。ロシアで結婚は、もはや生涯の関係とみなされていないのだ」

 

*記事全文(露語)