ロシアの一番の友好国はどこ

タス通信

タス通信

ロシアで世論調査が行われ、51%のロシア人が中国との関係は友好的だと回答。友好国の順位では、旧ソ連のカザフスタンとベラルーシを大きく引き離して、中国がトップに立った。専門家は調査が客観的な傾向を反映していると考える。極東には依然として「中国の拡大」に対する恐怖心があるものの、国民は両国の関係の強まりを認識している。

「全ロシア世論研究センター」は今月、ロシアと友好関係にある国とそうではない国についての世論調査の結果を公表した。

 アメリカと欧州連合(EU)の多くの国(伝統的な友好国であるドイツを含む)は現在、ロシアに対して制裁を発動中で、また政治的に対立しているため、友好国とは評価されていない。ウクライナについても同様である。

 インドとの関係が良好だと答えた国民は9%、その他ブラジル(4%)、キューバ(4%)、アルゼンチン(3%)など。友好国の上位3位には、旧ソ連のカザフスタン(20%)とベラルーシ(32%)が入った。これらの国を大きく引き離して1位になったのが中国(51%)。ロシア国民の半数が中国を友好国、同盟国と考えている。同様の調査が実施されたのは6年前。中国に対する愛はずいぶん強まっている。2008年、中国を友好国と答えたロシア人は23%だった。

ロシアと中国の関係

 極東研究所の上級研究員で中国専門家であるアレクサンドル・ラリン氏によると、全ロシア世論研究センター以外にも、異なる世論調査機関が同様の調査を行っているが、いずれにおいても中国との関係が高く評価されているという。

 「全体的な認識には矛盾が見られ、中国との関係を良好としている一方で、一定の警戒感もある」とラリン氏。極東における中国の人口拡大への恐怖もこのような警戒感に含まれている。多くのロシア人は、シベリアに大勢の不法滞在中国人が暮らしているという噂を信じている。ラリン氏は、これがあくまでも噂にすぎないと考えている。

 このような恐怖はあっても、中国と中国人に対する全体的な評価は悪くない。ラリン氏によると、報道の内容や中国の関係者と交流した際の個人的な印象など、多くの要因がこのような高評価につながっているという。

 ロシア人が一方的に好意を寄せているわけではない。「中国自体はこのような世論調査を行っていないようだ。少なくとも、ロシアにそのような調査の結果は伝わってこない。アメリカの機関が公表しているデータによると、ロシアについて良い印象を持っている人は、悪い印象を持っている人よりも多く、今年はそれが急増した。肯定的な回答を行った中国人の割合は66%まで高まり、否定的な意見の人は減少した」。今年の調査期間は3月~7月。調査開始日はロシアがクリミア編入を発表した日の前日だった。「関連性があるかはそれぞれでご判断を」とラリン氏。

お互いに期待

 政治学者のアンドレイ・スシェンツォフ氏も、ロシア社会に何らかの要因による反中感情はなく、両国の関係は安定的に発展していると話す。「貿易拡大は1990年代初めから見られ、関係も発展している。今年はガスパイプラインに関する大型契約も結ばれた。相互期待も投資も拡大している」

 スシェンツォフ氏は、ロシア政府が友好国、同盟国という中国のイメージを固めていると考える。好意的な世論になっているのは、これも一因だという。国際関係において、このような良好な隣国関係は珍しい。通常は大きな国が隣同士になると、緊張や相互圧力がある。この点で中国とロシアの関係は例外的と言える。

 「ロシアの政府と社会の両方が、中国に対して好意的であることが重要。グルジアのように、この2つのベクトルが合わない場合もある。ロシア人はグルジア人に対してとても温かい感情を持っているが、政府間には深刻な不調和がある。中国との関係は国レベルでも市民レベルでも良い」。一方で、両国の今後の関係の評価には慎重さが必要となる。「友好的な傾向は不変ではない。それでも現時点では確かに良好な関係であり、世論調査の結果はロシア人の多くの感情を反映している」とスシェンツォフ氏。