国際大型帆船レース

バークのクルゼンシュテルン号=Russian Look/East News

バークのクルゼンシュテルン号=Russian Look/East News

国際大型帆船レース「SCF黒海トールシップ・レガッタ2014」(セイル・トレーニング・インターナショナル主催)が4月末から約1カ月間、初めて黒海で繰り広げられた。参加した帆船はブルガリアのバルナを出発し、ロシアのノボロシスクとソチを経由して、ルーマニアのコンスタンツァに向かった。

 国際大型帆船レースはほぼ60年続いている。過去にロシア寄港は1996年と2009年、いずれもサンクトペテルブルクだった。今年はロシアの黒海沿岸港、ノボロシスクとソチが初めて帆船団を迎えた。

 

17隻が参加

 黒海レースに参加したのは17隻。うち9隻はA級(全長40㍍以上)に属している。ロシアのA級帆船「セドフ」、「クルゼンシュテルン」、「ナジェジダ」、「ミール」の4隻が今回参加した。

 「レース1・A級」でフリゲートのミール号と同型のナジェジダ号の2隻は五分五分の競走だったが、ナジェジダ号が接戦を制し首位を飾った。第3位はルーマニアの「ミルチャ」号だった。

 レースに参加した帆船には船員や軍学校の学生以外に見習船員もいる。国籍、性別にかかわらず、15歳以上で誰でも見習船員になれる。肉体的な準備はそれほど重要ではなく、可能性と希望さえあれば、レース全体か1段階を体験できる。

 セドフ号乗船の10日間の費用は900ユーロ(約12万6000円)。乗船の条件によって、他の帆船で価格は上下する。当直(8時間おきに4時間担当)にも参加可能。帆を張ったり、甲板を磨く作業に従事する。

 記者はノボロシスクからソチまで、ブルガリアの「カリアクラ」号で移動した。この帆船は実績豊富で1992年大西洋横断レースでは143隻中3位というキャリアを持つ。

 1等航海士が自分の船室を譲ってくれた。約3平方㍍の船室にはベッド、棚、水の出ない洗面台があった。

 食事は朝7時半、昼11時半、夕6時半の1日3回。ジャガイモ、フライ、カニカマボコ、ゆで卵、蒸しトマト、ヨーグルトなどの料理が出た。特別なごちそうはなかった。

 ノボロシスクとソチにはマリーナが新設された。ゲレンジクとアナパにもマリーナがある。

 

将来への課題

 しかし、ロシアの黒海沿岸の気候はトルコやモンテネグロよりも厳しい。冬になれば船を格納しなければいけないが、ロシアにはまだそのような施設がない。欧州まで行くのは遠くて大変だ。

 今回の黒海レガッタでは、ロシアに優れたA級帆船があることが示された。ソ連崩壊後の時代の荒波を乗り越えてきた。今後、新しい帆船の開発製造も必要だ。

 

ヨットクラブ300年

1846年

 ニコライ1世がロシア最初の正式なヨットクラブ「帝国サンクトペテルブルク・ヨットクラブ」を創設した。加入資格は貴族のみで、1年以内に排水量10㌧以上の船を購入しなければならなかった。クラブにはイギリスのヨット操縦者も賓客として参加した。

1912年

 ロシア帆船競走連盟が創設された。ストックホルム五輪への参加権を手に入れる。参加したロシアの船5隻のうち、1隻が銅メダルを獲得した。

1713年

 ピョートル1世がサンクトペテルブルクに「後代ネバ川船団」を創設した。ボートや帆船が製造され、無料で支給された。条件は一つ。丁寧に保管し、水上活動に加わるということ。形態(特別に建造された船、独自の規則と制服)や海上活動の人材教育において、ロシアのヨットクラブの原形であった。