容疑者逮捕後も収まらぬモスクワの動揺

AP通信撮影

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警察の発表によれば、モスクワでの数件の大規模な抗議行動の発端となったエゴール・シチェルバコフさん殺害の嫌疑がかけられて逮捕されたアゼルバイジャン国籍のオルハン・ゼイナーロフ容疑者は、捜査員との非公式のやりとりのなかで、自分の罪を認めた。しかし、モスクワでは、若いナショナリストたちが参加する騒乱は、今も収束していない。

 道路交通法違反の前科があるゼイナーロフ容疑者は、モスクワ郊外のコロムナで身柄を拘束され、連邦取調委員会での尋問のためヘリコプターでモスクワへ移送された。同委員会の発表によれば、同委員会は、10月16日、裁判所に対して容疑者の逮捕に関する請願を行う予定だ。 

 ゼイナーロフ容疑者が部屋を借りていた家主は、このアゼルバイジャン人を容疑者とみて警察へ通報し、この情報提供に対し、法保護機関は、100万ルーブル(約300万円)を支払うことを約束した。

 

「クルバン・バイラム(犠牲祭)への我らの返報」 

 ゼイナーロフ容疑者の拘束に関する発表の数時間後、屋内の小売市場があるモスクワ南部の地下鉄駅「プラージスカヤ」付近で、若いナショナリストたちは、「クルバン・バイラム(犠牲祭)への我らの返報」なる行為を企て、その際、未成年者が大半を占める276人が拘束された。その行為の参加者たちは、集会後に西ビリュリョーヴォ地区を目指して行進する予定だった。

 現場へ急行したモスクワ市南部行政管区のゲオルギイ・スモリエフスキイ長官は、こう語った。「それは南部管区の住人ではなく、何者かに唆された若者たちで、私の目の前で拘束された若者からは、刃渡り50センチのナイフが見つかった。その若者は、なぜここへ来たのか自分でも分からない未成年者のようだった」。

 

17日にアゼルバイジャン・カフェも襲撃される 

 ナショナリストたちの行為への参加の呼びかけは、2013年4月にロシアのいくつかの都市で行われたいわゆる「ロシアの怒りの日」の組織者によってインターネット上に流された。

 火曜日の未明、若者のグループは、シチェルバコフさんが殺害された場所からほど近いアゼルバイジャン・カフェ「ヂェヴィーチヤ・バーシニャ(乙女の塔)」を襲撃し、ドアを破り、窓を割った。

 現在、モスクワ全域で、市長選挙の際に一時休止されていた卸売および小売市場の抜き打ち検査が再開されており、モスクワ内務省のサイトによれば、警察は、身元の確認およびロシア滞在の適法性のチェックのため、市場にいる外国人(CIS諸国出身者)を拘束している。

 

エゴール・シチェルバコフさん殺害が導火線に 

 モスクワにおける緊張は、エゴール・シチェルバコフさん(25歳)が10月9日から10日にかけての未明に殺害されたのちに生じた。

 殺害のニュースは、モスクワを震撼させた。移民に対する反感の高まりを背景に、この数ヶ月、「民族集会」は無秩序へとエスカレートし、10月13日の日曜日には、23人が負傷した。群衆は、ショッピングセンターを破壊し、自動車をひっくり返し、警官に瓶を投げつけ、シチェルバコフさん殺害の容疑者が潜んでいるとみられる野菜集積所への襲撃を試みた。月曜日、野菜集積所への当局の抜き打ち検査により、1200人の移民が拘束され、捜査のために警察署へ連行されたが、そのなかには殺害の容疑者はいなかった。

 

*ロシア通信、インターファクス通信、ガゼータ紙、Newsru.comの記事および、内務省公式サイトを参照