グリーンピース問題で揺れるロシアとオランダ

ロンドン(有名なファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドさんの姿もあった)、マドリード、モスクワといった欧州の都市や、欧州以外の地域(香港、オーストラリア、南アフリカなど)でも、抗議行動が見られ、ドイツだけでも、数十の都市で抗議デモが行われた。=AFP/East News撮影

ロンドン(有名なファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドさんの姿もあった)、マドリード、モスクワといった欧州の都市や、欧州以外の地域(香港、オーストラリア、南アフリカなど)でも、抗議行動が見られ、ドイツだけでも、数十の都市で抗議デモが行われた。=AFP/East News撮影

オランダは、国際環境保護団体「グリーンピース」の船「アークティック・サンライズ」号の拿捕に関連し、国際海洋法裁判所にロシアを提訴した。また、グリーンピースの法律家たちも、ロシア当局と裁判で争う構えだ。

ロシアとオランダ、いずれも提訴の構え 

 先週の金曜日、オランダ当局は、ペチョラ海のプラットフォーム(海上掘削施設)付近での抗議活動に参加していたグリーンピースの活動家たちを不当に拘束したとして、ロシアをハンブルクの国際海洋法裁判所に提訴する意向を表明した。

 グリーンピースの抗議船「アークティック・サンライズ」号は、オランダの旗を掲げて航行しており、ロシアの取調官によって拘束された者のなかには、オランダ人も二名含まれていた。

 オランダは、外交ルートを通じても、被拘束者を釈放させる試みを続けている。グリーンピースの広報担当者によれば、同団体は、提訴に踏み切るオランダ当局の決定を支持し、他の国々もこれに同調するよう希望を表した。グリーンピースの情報によれば、審理は二ヶ月以内に結するという。

 これより一日早く、ロシア連邦取調委員会は、プラットフォームへのアタックの際に船内にいたさまざまな国の活動家30人全員を、海賊行為の罪で正式に提訴したが、こうした犯罪に対しては、15年以下の自由剥奪刑が科せられる。

 

環境への懸念を理由に違法行為がまかり通ってはならない 

 ロシア連邦取調委員会の処置およびオランダによる提訴に対するロシア当局の反応は、一様ではない。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、エコロジストたちは海賊ではないものの国際法規に違反した、と声明し、ドミトリー・メドベージェフ首相は、さまざまな行動に参加する人々がいかに崇高な理念を抱いていようとも、環境への懸念を理由に違法行為がまかり通ってはならない、と声明し、同首相の発意に基づいて、ロシア政府は、燃料エネルギー複合体の施設への部外者の侵入に対する処罰を厳格化する決定に署名した。

 

水中で作業していた人々の生命を著しく脅かした 

 審理について言えば、ロシアは、ロシア側にこそ国際法廷に訴える数々の理由があるとみなしており、ロシアのアレクセイ・メシコフ外務次官は、ロシア通信へのインタビューで、エコロジストらの行動は「挑発」であるとし、こう述べた。「ロシア側は、この一年半、再三にわたり、旗を掲げられた国であるオランダ自ら船の違法行為を取り締まるようオランダ側に呼びかけてきましたが、残念ながら、それは実行されませんでした。ですから、ロシアには、オランダよりもはるかに多くの言い分があるのです」。

 プラットフォームの事業主である公開株式会社「ガスプロム・ネフチ」は、プラットフォームへ攀じ登ろうとする試みは、グリーンピース側が主張しているような穏当なものではなかった、としており、同社のアレクサンドル・ジューコフ社長は、こう述べた。「法保護機関は、グリーンピースの行為が生産や環境の安全を損ねるばかりでなく水中で作業していた人々の生命を著しく脅かすものでもあったことを考慮して、この事件に評価を下すべきでしょう」。

 

50カ国でエコロジストを支持する抗議行動 

 他の国々、とりわけ、フランスとオーストラリアは、今のところ、外交ルートを通じた船の乗組員の釈放を試みている。先週の土曜日、世界のおよそ50ヶ国でエコロジストたちを支持するアクションが行われ、オランダのメディアによれば、ハーグのロシア大使館前では約500人が抗議の声を上げた。

 このほか、ロンドン(有名なファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドさんの姿もあった)、マドリード、モスクワといった欧州の都市や、欧州以外の地域(香港、オーストラリア、南アフリカなど)でも、抗議行動が見られ、ドイツだけでも、数十の都市で抗議デモが行われた。また、グリーンピースは、同団体のサイトで、被拘束者の釈放を求める各国のロシア大使館あての書簡に署名するよう呼びかけている。

 

「劣悪な収監の条件」 

 オランダのメディアによれば、グリーンピースは、被拘束者の健康状態と医薬品の確保の面での懸念を表しており、同団体のメンバーは、ある刑務所の収監の条件は「プリミティブ」なものであるとしている。インターファクス通信での記者会見で、グリーンピースの法律家たちは、活動家らが拘束されている条件が劣悪であるため欧州人権裁判所に提訴する用意がある、と声明した。また、弁護士らによれば、船の拿捕およびエコロジストたちの拘束の手続きに関してもクレームが数多くあるという。