=デニス・シニャコーフ撮影/グリーンピース
ムルマンスク市レーニン地方裁判所は日曜日、残りの8人の活動家についても、勾留延長を認めた。8人の逮捕申請を9月26日までに完全に審査できなかったため、72時間先延ばしにしていた。
逮捕された中にはアメリカとスウェーデンの市民権を保有しているドミトリー・リトヴィノフ容疑者、海上石油掘削基地「プリラズロムヌイ」への襲撃活動に直接かかわったフィンランド人のシニ・サアレル容疑者がいる。サアレル容疑者の弁護側は、サアレル容疑者が甲状腺を切除しているために薬のない生活を送れない上、現在不調を訴えていることから、100万ルーブル(約300万円)の保釈金を支払った保釈、あるいは自宅軟禁を請求している。モスクワにあるグリーンピースの支部の関係者によると、グリーンピースは拘置所にいるサアレル容疑者に必要な薬を渡そうとしているという。
ロシア捜査委員会は、抗議船から機械の一部と書類を押収した。「基地を襲撃した状況および目的について、容疑者の供述がないため、事件の客観的な図柄にもとづいて状況を探っている。現時点では、多数の機械を積んだ抗議船『アークティック・サンライズ』に乗船していた活動家グループが、何らかの目的で基地『プリラズロムヌイ』の500メートルの安全水域に侵入し、基地に近づいたことがわかっている。これらはすべて基地の従業員の安全性を脅かす行為であり、法執行機関の職員への反抗である」と伝えている。
グリーンピース・ロシアのアンナ・スミルノワ広報担当は、捜査グループが28日夜遅くまでの半日間、ピーター・ウィルコックス船長とその弁護士立ち会いのもと、船内で捜査を行ったものの、甲板室他数室しかまわることができなかったと伝えた。「捜査員は居室の捜査令状を持っているものの、まだ入っていない」。
グリーンピース・インターナショナルのクミ・ナイドゥ事務局長は次のような声明を発表した。「当局は船内で違法な物を何一つ見つけていないはず。あの船に積まれている設備は、世界で抗議活動を行っているグリーンピースのどの船でも見つけることができる」。さらに着岸してから4日目にようやく船内の捜査が始まったことも指摘している。
グリーンピースが30日、22人の「アークティック・サンライズ」乗員の勾留に対する不服申し立て書をムルマンスク州裁判所に提出したことを、スミルノワ広報担当が明らかにした。「26日に逮捕された22人の乗員について、不服申し立て書を本日提出した。29日に逮捕された残りの乗員についても、近日中に提出する。弁護士には3日の時間がある」。
グリーンピースの活動家30人は18日、抗議船「アークティック・サンライズ」に乗船し、ペチョラ海(バレンツ海北西部)で、「ガスプロム」の子会社「ガスプロムネフチシェリフ」が所有する、海上石油掘削基地「プリラズロムヌイ」によじ登ろうとした。ロシアFSB国境警備局の武装部隊はこれを阻止し、活動家を拘束。抗議船はムルマンスク港まで護送された。
捜査委員会は「組織的海賊行為」の容疑で立件。18ヶ国30人の活動家には、最長15年の禁固刑および最大50万ルーブル(約150万円)の罰金の支払いが言い渡される可能性がある。
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