地下鉄の乗客は、地上の交通機関を利用するよう指示を受けた。モスクワ交通局は、40台のバス、路面電車や市街電車を閉鎖された地下鉄駅の周辺路線に投入して臨時運行させた。=ロイター通信撮影
6月5日(水曜日)に、モスクワ地下鉄内の長さ5.6キロほどの区間で別々に発生した火災と電線ケーブルの短絡事故により50人以上が負傷し、8つの駅から5,000人近くが避難した。このため、路上の交通機関は麻痺状態と化した。
6月5日(水曜日)に、モスクワ地下鉄内の長さ5.6キロほどの区間で別々に発生した火災と電線ケーブルの短絡事故により、50人以上が負傷し、8つの駅から5,000人近くが避難した。このため、路上の交通機関は麻痺状態と化した。
二つの事故が相次ぐ
モスクワ地下鉄で最も古い路線の、モスクワ最大のゴーリキー公園と3つの鉄道駅をつなぐクレムリン近くの区間で、電線ケーブルが短絡した。
この短絡事故は午後12時37分に発生したが、それは4時間前に路線の同じ区間で発生した火災が鎮火され、運行が再開されて間もない30分後の ことだった。この路線は当初、クレムリンと下院(国家会議)に隣接するオホートヌイ・リャド駅の南西に位置する電線ケーブル10メートルが自然発 火した午前8時20分に閉鎖されていた。2つ目の事故はオホートヌイ・リャド駅から南東に向かうトンネル内で発生した。
50人以上負傷、約5千人が避難
消防車や救助車の出入りを可能にするため、クレムリンにつながるボリシャヤ・ドミトロフカ通りが閉鎖された。非常事態省は、同日午前の鎮火作業に275人の人員と75台の車両が投入されたと発表した。火災は午前9時04分に鎮火された。
最初の事故発生後、「赤い線」(ソコーリニチェスカヤ線の通称)上の8つの駅より5,000人近い乗客が避難した。ロシア通信は、ロシア保健省筋の情報として、お昼過ぎまでに子ども1人を含む52人が一酸化炭素吸入などに対する医療措置を受けたと報道した。
事故に巻き込まれたロシアNOW編集委員
偶然その朝乗車中で、閉鎖に巻き込まれたロシアNOW編集委員のパーヴェル・コシュキンは、 「超満員状態だった地下鉄列車はパルク・クリトゥールィ駅(オホートヌイ・リャート駅から南西方面に向かって3つ目の駅)で停止しました」と語った。
「地下鉄の職員が、地下鉄はこれ以上先には進まないとアナウンスしたので、全員が列車から改札外の通りに出たのです。モスクワ中心部方面へ向かう列車はす べてが停止し、警察からも地下鉄警備部門からも、完全麻痺に対する説明はありませんでしたが、人々はパニックになりせんでした。何が起きたのか知りたいと 思っただけです。結局、多数の人たちが通りに出て、モスクワ中心部で運行している地下鉄の駅まで向かい始めました」。
説明のアナウンスなし
地下鉄の乗客は、地上の交通機関を利用するよう指示を受けた。モスクワ交通局は、40台のバス、路面電車や市街電車を閉鎖された地下鉄駅の周辺路線に投入して臨時運行させた。
しかし、地下鉄のアナウンスシステムからは全く何の情報提供もなかったと、多くの乗客が不平を訴えた。
コムソモーリスカヤ駅で停止した地下鉄に乗車していたユーリア・キセリョワさんは、「ここは地獄のようだ」とツイッターに書き込みした。「地下鉄も通勤電車の路線も3つの駅を終点としているため、地下鉄が止まると路面電車が人でごった返してしまう」。
白タクは10倍料金
オホートヌイ・リャド駅から東方面に2つ先のチースティエ・プルドィ駅にいたイリーナ・ゴルベンコさんは、友人に電話して、公共交通機関を使って勤め先のオフィスまで到達する方法を調べてもらわなければならなかった。
同日朝の地下鉄閉鎖に巻き込まれた通勤客の多くが遅刻した。モスクワ市役所は、試験実施会場への到着が遅れたために受験を認められなかった学生のために、ホットラインを開設した。
閉鎖された地下鉄駅の周辺にいた数百人の人たちは、もぐりのタクシーを利用しようとしていたとロシア通信が報じている。ドライバーの中には通常料金の10倍を課金している者もいたと、同通信社は報じた。
赤の線は2つ目の事故発生後の午後2時15分に運行を再開した。
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