ロシアの隕石の新情報と分析

=AP通信撮影

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 ウラル地方のチェリャビンスク州への隕石落下による負傷者は、現時点で1200人以上、住宅の被害数千戸という空前の事態となり、専門家らがその隕石の大きさや、隕石の飛来予測の可能性について盛んに議論している。また、ロシア通信の18日の報道によると、17日にチュバルクリ湖で見つかった直径約1センチの黒い石が、化学検査の結果、隕石であると確定された。

 15日朝にチェリャビンスク州に落下した隕石は、数トンの重さがあったとプルコヴォ天文台の天文学者と広報官のセルゲイ・スミルノフ氏は語った。

「それは非常に明るい火球で、何トンもある物体でした。落下しながら、分裂しました」。スミルノフ氏は15日にインタファクス通信にこう語り、落下のビデオが多数あるため、迅速かつ的確にその軌道を計算することができると述べていた。

 ロシア科学アカデミー応用天文学研究所の専門家、ニコライ・ジェレズノフ氏は、チェリャビンスク隕石の直径は数メートルあった可能性があるとインタファクス通信に指摘した。

「おそらく、直径数メートル程のかなり大きな隕石でした。50メートル未満の物体は、大気圏で崩壊し、大気中に燃え尽きなかったとしても、小さな破片となり地球に到達する可能性が高いので、正確に言うのは難しいです」。そうジェレズノフ氏は説明した。

 

「今のところ予測は困難」 

 その後、米航空宇宙局(NASA)は、隕石はチェリャビンスク上空20-25キロで爆発し、広島型原爆の約30倍のエネルギーが衝撃波として放出され、破片が降り注いだと発表した。NASAは現時点までの、低周波数の音波などの分析で、隕石は重さ約1万トン、直径約17メートルあり、秒速18キロで大気圏に突入したと推測している。

 ロスコスモス(ロシア連邦宇宙局)広報部は15日に、チェリャビンスクで起きたような隕石落下は予測することは困難であるとの見解をインタファクス通信に対して示した。

「今分かっている範囲の情報によると、この物体は、その特別な動き方のため、ロシアや外国の地上空間観測システムによって捉えられていませんでした。そのような物体が大気圏に突入するのは偶然であり、今のところ予測は困難です」。

 

青天の霹靂  

 隕石は金曜日の午前7時23分にチェリャビンスク州に落下し、その破片により1200人以上が負傷し、建物が破損した。ビルの窓は割れ、地域の学校や幼稚園は休校となった。

 チェリャビンスク市のウェブサイトによると、159人の子供を含む計725人が、隕石落下後に医療手当てを要した。

 「12人の子どもを含む31人が、入院した。ほとんどの怪我は衝撃波で破壊された窓ガラスによるもの」と、市のウェブサイトは伝えている。

 救急車要請の電話が80件あり、他の負傷者は直接病院に行った。

 

*インターファクス通信の記事を参照

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