カマズの近未来的な無人トラック

 その名も「ユピテル30」、SF映画に出てきそうだ。

 カマズはこの程、自動で採鉱作業を行う新しいオフロード用無人トラックを公開した。この車は4つの車輪の付いた車体を持つが、運転席がない。人間が運転する設計になっていないのだ。

 新しい無人トラックKAMAZ-6559、通称「ユピテル30」は、鉱石の運搬を行い、露天掘りの採掘現場などの危険な場所で人間が作業を行う必要をなくす。

 「『ユピテル』は初めから採石場で働く自動運転車として設計された。塵や泥、湿気、振動に強いカメラ、2D・3Dライダー、超音波センサーとレーダーなど、必要な装備をすべて備えている。GSMアンテナとGPS/GLONASSナビゲーションシステムも持っている。前後両方の車軸が操舵可能であるため、機動性は高い」とカマズ革新自動車研究開発センターの主任設計者セルゲイ・ナザレンコ氏は話す。

 新しいトラックは、機動性が高められたことに加え、往復運転モードでプログラムされたルートに従ってさまざまな積載ポイントを回ることができる。これによりトラックの効率性が上がり、作業のサイクルを短縮できる。

 新しいカマズ・トラックは、排気量11.9リッターの6気筒エンジンを動力としている。このエンジンは発電機で動くが、発電機は主電動機にも電力を送り、メインバッテリーの充電も行う。バッテリーはブレーキをかけたり、坂を下ったりする時に再充電されるよう設計されている。

 トラックの全長は8.8㍍、全幅は2.7㍍、全高は3.4㍍だ。最大積載量は30トン、最高速度は時速56㌖である。

 ナザレンコ氏はカマズ社を代表して、同社が将来的にこうしたモデルをさらに開発していく計画であることを語った。現在、無人トラックは最終仕上げの段階にあり、試験に合格すれば、ケメロヴォ州にある露天掘りのチェルニゴフスキー採掘場に納入される予定だ。 

*カマズ・トラックが世界最高と言われる理由についてはこちら

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