打ち上げを前に、前澤友作氏とアシスタント役を務める平野陽三氏、アレクサンドル・ミスルキン宇宙飛行士は、ロックバンド「ゼムリャーネ」の「庭の芝生」の日本語の音源が流れる中、滞在先のホテルを出発した。これは、バイコヌール基地で宇宙船の打ち上げに際し、乗組員がホテルを出て、宇宙船発射基地に向かうバスに乗るときに必ず流される曲である。
日本の宇宙旅行者とアレクサンドル・ミスルキン飛行士を乗せたソユーズは、打ち上げから約9分後にロケットから切り離され、予定の軌道に入った。前澤氏らは12月20日に宇宙に帰還する。
前澤友作氏と平野陽三氏は、「ラズマ」と呼ばれる学術実験を行う。ヒトの体内にある微小血管が無重力の条件下で、体の様々な部位での血流再分配にどのように「順応」するのかについて調べるものである。
また前澤氏は、宇宙空間で、特別な箱を使って水彩画を描くことにしている。箱は、チューブに入った絵の具が無重力の中で飛び散らないようにするためのものである。密閉されたコンテナで、一定の気圧の下で物体を操作するために使われる。中には特別なキャンバスが用意されており、前澤氏は水彩画用の筆を使って絵を描くとのこと。
この他、前澤氏は、「宇宙でやってほしい100のこと」を行う。この実験のアイデアはインターネットユーザーから募ったものから選ばれた。「シャボン玉の実験」や「ヨーヨーで大技に挑戦」、「無重力で散髪」、「うちわだけで空中移動」などが含まれている。前澤氏らは、このすべての実験を撮影し、YouTubeで配信するとしている。
国際宇宙ステーションには、ロシア人乗組員のための新年のプレゼント、実験に必要な道具、また宇宙で食べられるようになっている日本の食べ物が送り届けられることになっている。宇宙船ソユーズで宇宙旅行者が国際宇宙ステーションに打ち上げられるのは12年ぶり。
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