2020年のロシアの軍装はどんなものか

テック
ニコライ・リトフキン
 この軍装があれば極寒に耐えられ、戦場で敵の偵察の目から隠れることができる。

 ロシア軍兵士の軍装は「ラトニク」(「戦士」)と呼ばれる。兵士が森や戦線で生き延びられるようにできている。

 

軍装一式は5つのシステムから成る。 

 

装備 

 ラトニクはアラミド繊維を持つ新素材でできており、兵士が極めて厳しい自然条件で生き延びることを可能にしている。

 「摩擦に強く(地面を腹這いしても服は破れない)、最大300キログラムの負荷に耐え(布地の一部で四輪バギーを吊るすことができる)、水を弾き(水は布地にしみ込むことなく流れ落ちる)、兵士を周囲の景色に溶け込ませる(ただし赤外線スコープなら見える)」と匿名希望の軍産複合体関係者はロシア・ビヨンドに語る。 

 彼によれば、ラトニクの布地は耐火性があるという。特にラトニクの手袋は熱い液体をかけたり炙ったりしても大丈夫で、手をこの布地で覆って焚き火の上にかざしても、着用者は全く火傷しない。

 「もちろん、ガソリンを浴びせて着火して放置すれば、良い結果にはならない。だが、裸火には30分は悠々と耐えられる」と彼は付け加える。 

 彼によれば、時計も工夫が凝らされている。時計はロシア軍史上初めて装備品に加わり、耐水・耐衝撃性能を得ている。深さ20メートルでも動き、数百メートルの高さから落としても車で踏んでも壊れない。

 

ラトニクの武器 

 装備品には軍用に特化した多機能ナイフが含まれる。ペンチが備わっており、信管を接合したり、針金を切断したりできる。ナイフでソーセージを切ったり、木や金属を切る鋸として使ったりすることもできる。

 新しいAK-12がロシア軍の制式自動小銃になった。これはAKの頑丈さを保ちつつ、人間工学的工夫を凝らして使いやすくした銃だ。今や兵士は誰でも自分の体形に合わせて銃を調整することができ、極めて苦しい状況や態勢でも正確な射撃が行えるようになった。ピカティニーレールも登場し、種々のアクセサリーを付けられるようになった。

 しかも、ラトニクの防具、特にヘルメットは、9×18 mm弾を使用する拳銃(マカロフ拳銃)や9×19 mm弾を使用する拳銃(ヤルィギン拳銃やグロック17)による銃撃にも耐え、秒速500メートルで飛び散る地雷の破片からも兵士を守る。

 「ゴーグルもこれらの口径の拳銃弾に耐えられるようにできている。防弾チョッキはスナイパーライフルの徹甲弾(ドラグノフ狙撃銃の7.62×54 mm弾)を10発受けても耐えられる」と前出の軍産複合体関係者は補足する。

 

ラトニクの電子機器 

 装備品には照準器やレンジファインダー、カメラなどの装置が付いた双眼鏡も含まれる。この双眼鏡は情報を読み込んで独自の通信チャンネルで小隊の仲間に伝えることもできる。

 「しかも装備は耐水性だ。ラトニク一式を着用した人間は凍った水面に開けた穴に潜ったり、首まで水に浸かった状態で川を泳ぎきったりでき、その後も戦闘任務を続けられる」と情報提供者は締め括る