米露は禁止されている核実験をどのように行っているか

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ニコライ・リトフキン
 核実験禁止条約があるにもかかわらず、米露両国は自国領内で核実験を行う方法を見出している。

 1963年に締結された大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験禁止条約は、地下以外でのあらゆる核実験を禁じている。

 「核爆発と兵器の実験は今でもネバダやノーヴァヤ・ゼムリャー列島の地下坑道で行われている。学者らは原子爆弾の模型を専用の容器に入れ、それをベントナイト粘土で覆う。その後坑道の入り口をベントナイトで塞ぎ、離れた安全な所へ避難する」と雑誌アルセナル・オテチェストヴァ(祖国の軍備)のヴィクトル・ムラホフスキー編集長はロシア・ビヨンドに語る。

 彼によれば、「模型」というのは核爆弾の便宜上の呼称だが、爆薬装置の威力はミサイルに搭載される核弾頭の千分の一ほどだという。

 「これは実際の爆発をシミュレーションするもので、新型爆弾の連鎖反応のプロセスが確認される。すべての数値がコンピューターで計算されるため、今日では新兵器の実戦での働きを計算するためにキノコ雲を作る必要は全くない」と同氏は続ける。

 彼の指摘によれば、新しい爆弾を実験するため、爆心地間近の環境や人間に害を及ばさずに未臨界実験を行える容器が開発されているという。しかも、もし容器にひびが入っても、ベントナイトが化学爆薬の発熱作用でガラス状になり、爆発装置の穴をすべて塞ぐ。

 「実験では威力の小さな爆弾が爆発するため、爆発はほとんど無音で起こり、反響測定器でも検知は不可能だ」とムラホフスキー氏は言う。

ロシアと米国の核軍備

 毎年ロシアと米国は耐用年数を超えた核兵器を処分し、新しいものに更新していかなければならない。

 今日戦略核兵器とその運搬手段の数は新戦略兵器削減条約(新START)によって制限されている。

 この条約により、戦略核弾頭数は1550発に、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射装置と潜水艦発射弾道ミサイル発射装置、重爆撃機の数は最大700と限られている。

 合意によって両国は人工衛星で相手のミサイルサイロや爆撃機、潜水艦の位置を監視し、互いに条約に違反していないことを確認するため年に18回の現地軍事査察を行うことができる。