8月末にモスクワ郊外で開かれた航空ショー「MAKS」で、ロシアは2019年の2つの主要な新作を披露した。中距離旅客機MS-21-300と、「アウルス」の車室を持つヘリコプター「アンサト」だ。
旅客機MS-21-300は、ソ連崩壊後のロシアで製造されたものとしては初の中距離旅客機だ(163〜211人の乗客を乗せて最大6000キロメートル飛行できる)。
同機には大きな期待が乗せられている。それには相応のわけがある。
顧客のさまざまな要望や要求に合わせられるよう、同機は国家間航空委員会の最高クラスの基準に則って作られている。例えば、各航空会社の要望に応じて飛行機内部を改造できるよう、機体の直径が拡げられている。
さらに、飛行機のエンジンもまた、現代テクノロジーの基準に合致するよう一連の最新化プロセスを経ている。飛行機の新たな「心臓」は、騒音と有害物質の排出量を減らし、環境への悪影響を少なくすることに主眼を置いている。しかしMS-21-300はライバルより燃費が良く、しかもより大きな巡行速度で飛行できる。
同機は軽量化された材料を多く使っている(全体の40㌫)ため、同クラスのライバルよりも軽くなっている。
機内環境には、感性の鋭い気難しい乗客も満足するはずだ。機内は気圧が上げられているほか、加湿システムと最新の生物学的フィルターが設置され、3つの室温調節ゾーンも設定されている。
開発者らは、来年この旅客機の認証が完了し、2021年に量産が始まるだろうと見込んでいる。
同機そのものは、9月1日までジュコーフスキーで開かれていた航空ショー「MAKS」で機内を見学し、飛行する姿を楽しむことができた。
同機は最大積載量1.3㌧の軽ヘリコプターに分類され、定員は9名だ。
これはロシアで運用されている安価で信頼の置けるヘリコプターだ。民生用・軍用を問わず肯定的な評価を受けている。騒音が少なく、操作しやすく、しかも十分に速い。
上記のことを踏まえれば、「アウルス」の車室を持つビジネスクラスの「アンサト」が登場したのはもっともなことだ。標準版との決定的な違いは内部にある。機体は同じだが、個人用照明、空調システム、バー、テーブルなど、高級クラスの設備に不可欠な要素がすべて揃っている。
同機は620馬力のエンジンを2基搭載したシングルローター式のヘリコプターだ。複合材料でできた胴体に、端に安定板の付いた水平尾翼を持つテールブームが滑らかに続いている。
「アンサト」は、装備に応じて民間輸送(旅客・貨物)にも、ある地域の哨戒活動にも、捜索・救出活動にも利用できる。一度給油すれば、同機は巡航速度時速240キロメートルで520キロメートル飛行できる。上昇限界高度は、積載量にもよるが、約6000㍍だ。
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